OMI 新宿御苑に行く
2004年11月17日
先週年賀状を作るためにサライという雑誌を買った。この雑誌はかなり読み応えがあっておもしろかったんだけど、この雑誌の最初のページに竹内敏信氏の「風景写真講座」というのがのっていたのだ。
これがものすごくいい写真だった。

竹内敏信氏のホームページ
http://www.takeuchitoshinobu.jp/

そして決めた。
私も写真を撮りに行こう!

このように短絡的にすぐに行動をおこしてしまうのがomiの特徴だ。
プロのカメラマンが撮っただからうまいに決まってるじゃないってちゃんと思えれればいいのだが、頭がそのように回転してくれない。なにか自分にも撮れそうだと勘違いしてしまうのだ。

雑誌には都心にはすばらしい公園がたくさんあると書かれている。

なるほど。何も郊外にでなくてもいいんだ!!

そして都心の紅葉を撮影するコツも書かれている。
「朝早くいくこと。時間は太陽が顔さえ出していれば、早ければ早いほどいい」
早朝に代々木公園に行き、新宿御苑は9時開園なので9時に行きましょうとアドバイスされている。
ふむふむ。早朝か。

用意するもの:カメラ(これはある)、三脚(ない)、 偏光フィルター(ない)、低感度のフィルム(ない)−今、スーパーに売られているのは400とかが多くてなかなか100は見つからないんだ。

とないないづくしだったんだが、心は行くことになっていた。
何もなくても写真が撮れるような気になっているのがかなり間違いだということに本人はあまり気づいてない。

本には説明が続く。
「落ち葉のじゅうたんを狙う時は広角レンズを使って奥行きをだす。」
この狙うって言葉に心が響く。かなりプロカメラマンの感じだ。広角レンズはないけど35ミリぐらいだったら大丈夫だ。

落ち葉のじゅうたんか。いいなあ。

早朝の代々木公園は少々きつかったので、9時開園の新宿御苑に行くことに決めた。前の晩からいそいそと用意をする。カメラと交換レンズとフィルムと、今回はデジカメもいれて、早めに寝る。まるで幼稚園の遠足だ。

 当日、次男が7時半をまわって家をでると、すぐに私も家をでた。9時開園と同時にはいるということはこのぐらいの時間に家をでなければならない。駅に向かう途中になる心臓やぶりの坂で
「私はいったい何をやっているんだろう」
と思ってしまったが、それにくじけることなく地下鉄にのりこんだ。

地下鉄で座っていると、妙に眠くなってきた。なにかおかしいな。そしてわかった。たぶんなんだけど、ばたばたしている時に花粉症の薬をダブルで飲んでしまったのだ。1回飲んだのをうるおぼえにしか覚えておらず、あれっと思いながら2回目を飲んだ。薬を飲み忘れることと多く飲むことは同じぐらいの頻度で襲ってくる。どちらもあとが大変だ。そしてこの日は地下鉄で朝から寝てしまった。

OMIがでかけると必ず何かあるんだ。

 乗り換えの新橋駅。ちゃんと起きられたのはいいけど、なにかまだおかしい。ここから銀座線と丸の内線にのり新宿御苑前まで行く。新橋から銀座線に乗るのはひさしぶりだ。人の流れに従ってホームにおりたら渋谷方面のホームだった。反対側はホームが違う。ぼんやりしていたのに間違えがなくってよかったとちょっとうれしかった。銀座線に乗ってわかった。この時間は朝のラッシュアワーの時間だ。ぎゅうぎゅうの電車に乗っていたら目が覚めた。ぎゅうぎゅうの電車にのっても昔ほどいやじゃない。本当に年をとってしまったなあとまた思った。

虎ノ門で電車はすいた。なるほど。エリートのサラリーマンが乗っていたんだなとひとりで分析する。それが何かになるわけではまったくないし、この分析が二度と使われることもない。

 赤坂見附で乗り換えて丸の内線で新宿御苑前に着く。
また人について出口に向かう。新宿御苑の大木戸門がめざす入り口だ。

新宿御苑は小学生の時に来た。
そうなんです!!ここにきたのは40年ほど前のことなんだ!!
しかし、めざす大木戸門はすぐにわかった。この40年前のことをよく覚えているからだ。その時は母の学校時代の同窓会で母の仲間とその子供たちがここに集まった。何人かの人が門を間違えて違うところに集合していてみんなで大慌てだった。そして新宿御苑から帰る時は夕立にあった。
と思い出のある公園なんだ。しかし中がどのようであったかはよく覚えてない。

大木戸門で大人200円のチケットを買う。このチケットは機械に通すとでてこない。ちょっと厚手の立派なチケットだったので、すごいなと思ったが、何回もこれを使うのかもしれない。
なんせ朝9時にはいったのだから、誰もいない。

温室のほうへ歩いていく。木々が朝日を浴びて柔らかい日差しがこぼれてくる。周りには誰もいない。
こんな贅沢があるのかって感じだ。

朝9時の新宿御苑、絶対にお勧めです。

イチョウはまだ黄色くなりかけたぐらいで見ごろとまでいかない。しかし他の木々は葉を落としはじめている。実際の景色をみてみるとサライに載っていた景色がこのようなところで撮られたとわかる。私もまるでカメラマンになったようにどんどん写真をとった。デジカメもちょっと登場させる。

ところがだ。私がせっかく気取って写真を撮っているのに頭上でからすが大合唱だ。なんせ私ひとりだけなのでちょっとこわい。時々横をすっと飛んでいく。デジカメをだすと、まわりに近寄ってくる感じもする。おそらくポケットから光るものがでてきたことを見ているのだろう。
はっきりいってからすじゃま!!

今日見るところは温室近くのイチョウ。(これは紅葉がまだ)そしてフランス式整形庭園桜園地の桜だ。そこでフランス式整形庭園の方に歩いていく。途中、芝刈りをしているおじさん以外、誰にも会わない。この広い空間をひとりで所有しているようで、手を広げながら歩いた。途中広い芝生があちこちに広がり、その向こうに新宿の高いビルが見える。
新宿御苑ってこんなに素敵だったとは思わなかった。
ニューヨークのセントラルパークよりいいじゃない、と一人でわが国の首都にあるこの公園を称える。
フランス式整形庭園に来る。ここにはなんと冬ソナ顔負けのプラタナスの並木道があった。しかもここも誰もいない。こんなに素敵な場所をひとり占めできるのはやっぱ9時開園と同時というメリットでしょうね。

また写真をばちばちとる。
しかし、突然気づいた。写真機のファインダーの画面が半分しかなくなっている。上下が黒くなっているのだ。
また故障か!!
頭がすばやく回転する。帰りに新宿のヨドバシに寄ってカメラを見てもらおうか。しかしなぜこのように突然おかしくなったんだ。とりあえずシャッターはきれるので、ここまできてもったいない(でた!!)と思い、写真はとる。

フランス式庭園のバラのところにくると、前から若いお兄さんがくる。カメラの重たいバッグと三脚といろいろ機材をひとりで運んでいる。
これだ!!

「あの〜〜すみません。カメラマンの方ですか?」
「いえ、僕はプロではないんですか」

Omi、この答えを無視する。

「このカメラちょっと見てもらえませんか?」
「突然、ファインダーの中の半分が黒くなっちゃったんです。」
カメラマンのお兄さんはとても上品な感じで親切だった。
カメラを覗きながら、
「あっ本当だ」
そしてちょっとあっちこっちといじってみてすぐに
「ここですね。」
とカメラの下の方のスイッチを右から左に移動させた。
「ここでパノラマになっていました」

えっ?このカメラパノラマで写せるんだ。

なんとomiはこのカメラをもう何年か使っているのにそれを知らなかった。

「ああ、どうもすみません。助かりました。」
おにいさんは今日の一番最初の仕事が、わけのわかっていないおばさんのカメラを見るということになってしまった。いろいろ世間の皆様にご迷惑をおかけして申し訳ないです。
何かの拍子にスイッチが左から右にいってしまい、ファインダーの中がよく見えなかったんだ。
撮影、撮影とはりきっているわりにはかなりなさけない。

しかし思いがけないところでこのカメラの新しい機能を覚えてしまった。

おにいさんは気をとりなおしてバラの写真を撮り始めている。かなり接近して撮っているなあ。おばさんは本当はどうやって撮るのか知りたかったけど、そこまでずうずうしくなれなかった。おにいさんのじゃまにならないようにバラの写真を撮る。

バラはいろいろな種類、いろいろな色があったが、時期が少しだけ遅かったという感じもした。でも紅葉とバラと一緒に見られるなんてリッチじゃない。プラタナスの並木にバラ園。本当はロマンチックなんだ!!なぜかomiがくるとそれをぶち壊してしまう。やっぱ朝早くきて人と会わないようにするのが一番かな。

バラの写真を撮っているとフィルムが少なくなってきた。だいたいこのパノラマの状態で1本撮ってしまったので、大きな損失だ。(パノラマだとわかって撮っていればよかったんですが、決してそうではなかったところに問題が潜んでいるのです)気がつけばフィルムはあと10枚。

そうだそうだ。を撮らなければならない。
桜というのは今ごろに咲く桜がここにあるということでホームページに載っていたのだ。千駄ヶ谷門の方に歩く。ぱらぱらと人がきているようだが、それでもこの広い公園の中ではまばらだ。千駄ヶ谷門の近くに桜があった。それは4月に咲く、ソメイヨシノなどとはちがい、花も小さく何か遠慮して咲いている感じだ。それでも
「私は秋にさいているのよ」
って紅葉しているまわりの木の中でがんばっている姿が立派だ。本門寺のお会式桜もこの種類の桜なのかもしれない。ここでフィルムを使いきった。

なんと機材は何もないのにフィルムは5本使った。数を撮ればなんとかなるかなって感じだ。デジカメのほうも50枚ほど撮った。しかしですね。デジカメはやっぱ苦手だ。家に帰ってパソコンにいれたけどうまくいってない。デジカメって目とカメラを離して使うでしょ。あの時点でもう、うまくいかないんですよね。反射してファインダーがよく見えなかったり、いまひとつ使い方がわかってない。(といっても今までのカメラだって今日、新しい機能を発見したぐらいですから、それほど知っているわけではない)

来週、後半がイチョウの木がきれいになるかな。
また来れるかな。
来ようと思えば新宿だから来れるというのがちょっとうれしい。
もしかしたら東京の公園にはまっていくかも。。。


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