今週のomi家(入学試験)


2005年2月1日




次男は今日は学校の入学試験のために
休校だ。ちょっと前まで今年の入学試験は一週間休みになるという馬鹿みたいなうわさがあったらしいけど、今年も2日間の休みだ。息子は5年前に今通っている学校の試験を受けた。

omi家はなにかあると必ず文章にまとめられるような大きな出来事に発展していく要素をかかえている。そして息子の受験もどうしてこうなるのかなという出来事のひとつとなったのだ。

都内の中学の試験はだいたい2月1日に始まる。男子は受ける学校もある程度限られているし、まあ本人の能力もあるので、そうそうたくさんの受験はしない。(と思う)omi家の次男も受けた学校は、現在通っている1校だけであった。落ちれば公立に通えばいいと思っていたし、かなりお気楽な受験だったかもしれない。どうしてこの学校を選んだかというのもただ
近いからという理由だ。

当時、息子は電車でもバスでもすぐに寝ていた。
2駅乗れば寝る。通っていた塾も小学生だし自転車じゃ大変かなと思ってバスを使わせていた。(今考えれば歩いても十分行けた)でも友達とバスに乗るときはいいけどひとりで乗るとたった3つのバスストップの間に必ず寝ていた。バスの中でお財布は落とす、ひどいときなんかリュックを忘れてくる、という繰り返しだった。そのたびにバスの営業所に行って
「すみません」
というのが私の係りだった。
今から思うとこういうことをしていたからこんなにだめになってしまったんだと反省することばかりだ。
で、こんなに寝るのに電車通学は無理だという結論になった。

ただ歩いていけるところに学校がなかったので、一番近い現在通っている学校を選んだのだ。学校は地下鉄で4つ目の駅にある。地下鉄で4つと聞くだけで当時は大丈夫だろうかと思ったものだ。
(現に朝から寝て乗り越していることが過去に何回もあるらしい)

5年前の2月1日の試験の前の日。普通は試験の前の日というのは早く寝ることになっている。そこで私も息子に9時には寝るように言った。信じられないことだけど、息子は当時は10時に寝て7時におきるという生活をしていた。
勉強のために夜起きているなんてomi親子には考えられないことなのだ。
ついでに長男の話もしてしまうが、長男もちょうど同じ時期に高校受験だったのだが、彼も勉強のために睡眠をけずるなんてことはまったく考えられなかった。
「○○ちゃんは夜1時まで起きて勉強しているんだってよ」
と、がんばって得た情報を彼に流したら
「なんでそこまでうそをつくの」
と真顔で言われた。
この子達の頭の中に夜、寝る時間を遅くして勉強するということをたたきこむにはどうしたらいいのかと真剣に悩んだものだ。

次男の方は9時を過ぎると自然に体が寝る方向に向かうようだった。ついでに申せば、次男は自分に興味がないことをしている時は
必ず寝る。(これは今でもそうだ)小さい時にピアノを習わせていたのだが、ピアノを練習すると5分しないうちに、ひきながら寝ていた。

で、試験の前の日は9時には寝させようとした。
ところがふと見ると顔が赤い。
「えっ?」
と思って額を触ると熱かった。
なんと9度の熱を出していたのだ。
一瞬頭が真っ白になった。
しかしこの熱はインフルエンザだとすぐにわかった。
なぜならばこの2週間前に高校の試験を受けた長男が試験の2日前にインフルエンザにかかって、点滴をしたからだ。担任の先生が心配してこの超きたないomi家にお見舞いにいらしてくださった。ここまでこの子は人を動員させてしまうんだなあと思った最初の出来事だ。(その後にも同じパターンの修学旅行事件がある)
このパニックをのりこえ、今度は次男だと思ったらまた同じことが繰り返された。
いくらomi家のパターンとは言え、まるで悪夢だった。

ただ長男のおかげで迷うことなくインフルエンザだとわかったので、近くの都立病院の夜間の診察にすぐにタクシーでむかった。病院ではまず
「来る前に電話をしてください」
といわれた。そんなことをしている時間はないというのがomiの正直な気持ちだった。本来だったら、寝ている時間に病院に来なきゃいけないのだ。願わくはなんとか熱をさげて明日の受験を終わらせてほしいというのがささやかな希望なんだから、
規則なんか考えている暇はない。

当直の若い医者はすぐにいった。
「たぶんインフルエンザでしょう」
え〜〜〜〜〜〜
「すみません。うちの子明日、入学試験なんです」
医者は
「困ったなあ」
と言った。この若い医者は今でも覚えているけど、医者というより俳優とか歌手といったほうがいいような
イケメンだった。
「まあ、医者としてはすすめられないですけど、入学試験ですからねえ。ちょっと強い注射しますか」
この医者は何回も医者としてはすすめられないけどって言ったでもとりあえずこのような時には注射があるんだということがわかってしまった。

そしてこのイケメンドクターは息子に言った。
「大丈夫だよ。僕の友達なんかラサールにいっていたんだけど、40度の熱をだして東大の理三に受かったんだから。」
この言葉はなんの慰めにもならなかった。
はっきりいってラサールとか東大という単語は息子の辞書にはありません。

息子がこの注射をうってもらって家に帰ってきたら10時半になっていた。いつもだって10時には寝ているのに試験の前の日に10時半に寝た。これは大きなハンディーでしょ。しかし医者としてはお勧めではないその注射がきいたのか翌日はすっかり熱がさがった。ただ薬を飲むのでこれまたハンディーだ。
試験中に寝てしまったらどうしよう。
(なんでこんなことをいつも心配しているのかと思います)

とにかく試験にでかけた。朝早く家をでたので、タクシーもすぐにつかまった。(この時本当に近くの学校でよかったと思った)タクシーでいけるというのはこういう時に本当に楽だ。息子は熱が下がると結構元気だ。普段の睡眠がものをいっているのかもしれないなんてちょっとゆとりがでる。

学校の前でタクシーを降りると係りの生徒や塾の先生達がいっぱいいた。で、息子が通っていた塾の係りの先生を見つけ、
「薬を試験会場に持っていっていいんでしょうか」
と尋ねた。先生はこんな質問を門のところでされると思っていなかったらしく、
「ここではわからないので、中で先生に聞いてください」
と言った。そして息子にがんばってと握手をした。
問題はがんばるよりも熱をださないようにすることなんだけどなあと思ったのだが。

時間よりはやく到着したので、まだ受験生もまばらだと思って、控え室にはいったらそこは受験生と親とでいっぱいだった。
結局omi親子は最後のほうだったので門のところですいていたのです。
なんでこんなにみんなはやくから来るんだ?
近くにいる先生に息子が薬を持って教室にはいっていいか聞くと、名前をひかえて
「保健室で受験しますか?」
いやいやそんな心配には及びません、なんていえないから
「教室で大丈夫です。ただ熱がでたら薬を飲ませてください」
と言った。インフルエンザで熱をだした次の日の受験だったら、試験ができたかということよりも、熱がでないかということの方が心配ポイントが上だ。とりあえず午前中の4教科が終わればそれでOKなのだ。

息子が試験会場に行くまで一緒にいたが、途中は家に帰ってきた。本当は迎えに行くはずじゃなかったんだが、熱をだしていると困るのでまたお昼近くに学校に迎えにいった。

omi家は学校の近くだから私はさっさと帰ったが、控え室に残っている保護者ももちろんいた。迎えに行った時、結構おとうさんが多いのに驚いた。
因みにomi家のオットからはこの日の夕方、電話がかかってきて
「試験は何日続くのか?」
と聞かれた。本当に馬鹿じゃないのか。昔の国立の試験じゃあるまいし、そんなに何日もひとつの学校で試験が続くわけがないじゃないか、と言ったところでオットには通じない。

つくづく大変だ。

試験会場では問題がもう配布されていた。それを一生懸命にといているおとうさんがいた。
思わずomiはやり方を習おうかと思いましたね
一応、息子達は長男の中学まで、次男の小学校まではomiが教えていた。しかし理科は最後はギブアップした。
なんで理科はこんなにむずかしいんだ!!
友達の家では友達がやはり勉強を見ていたが、理科はご主人の担当と言っていた。ご主人は赤門のある某国立大学の大学院をでていたのだが(もちろん理系です)、理科の問題を見て
「わからないなあ」
と言って、友達を怒らせていた。だから会場で問題を解いているおとうさんってすごい方だったんだと思います。

試験を終えて帰る途中、朝ごはんもあまり食べられなかった息子においしいものでも食べさせようかとレストランにはいった。息子は
ハンバーグ定食(今でも覚えてます)をぺろっと食べた。
この子は本当にインフルエンザだったのか!!

次男はこの頃ものすごくよく食べていた。しかもお腹がすくとテストが受けられないというような状況に陥っていた。この時の試験の時間わりをはっきり覚えていないのだが、ひとつだけ算数が一番最後のお昼近くだったことだけは記憶している。
この算数ができないと息子は試験に受からない。(算数が得点元だったのです)算数のテストの時間がお腹がちょうどすく時間だ。おもわずおむすびを持たせようかと思った。この算数の前におむすびを食べて空腹をいやし、試験にのぞむ。(こんなことを考えていたのは我が家だけかもしれない)しかし前の日のインフルエンザで幾分食欲がおちていたので、幸いにも空腹を考える必要がなくなっていた。
(これが結果として合格につながったと深く感じている。)

家に帰ってきてからも息子は元気だった。そしてその日の夕方の発表。ネットで番号を見つけた。次男は何事もなかったように
「よっしゃ」
と声をだした。
いやいや、そんなに何事もなかったように言われても。
ネットの発表をみてから、またタクシーで書類をとりにいった。長男もついてきた。長男はこの学校で英検の試験を受けたことがあった。
「お〜〜い。こっちだぞ。オレが試験受けた教室は」
長男は叫んだ。やっぱつれてこなかったほうがよかったわ。

書類を受け取るとまた昼にはいったレストランに行った。
次男はまた
ハンバーグ定食を食べた。
その時も、この子は本当にインフルエンザだったのかと思った。
(しかしこの2日あと注射の薬がきれたのかまた熱をだした。一時的に熱を下げると後が大変だというのも経験しましたー因みに小学校でインフルエンザが流行しており、息子の前後と右の子がインフルエンザにかかっていたのも後で知りました)

1回の試験だけでこんなに目がまわりそうな経験をしなければならないのも大変だが、だからそれだけ印象に残っているのかもしれない。
来年は印象に残るような試験の受け方をしないでほしいと願う。



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