omi窮地にたつ。その2


2005年7月17日


以前に「omi窮地にたつ」という題で記事を書いたが、これはその続編だ。
しばらく平穏な環境が保たれていた職場だったが、Oさんがまたきれた!!
(kakologのomi窮地にたつを読むと、ことの詳細がわかります)

こんなに冷静に書いているけど、実際にOさんが乗り込んできたその場にいるとかなりの
緊張感が走る。

木曜日の午前中、ちょうど子供におやつをだしている時だ。
Oさんは突然、教室に乗り込んできて、
「前から言っているんですけどね。マット類は全部使った日にだしておいてください。
そうしないと私が全部まとめなくっちゃならない!!」
と、はじまった。
対応したT先生は、これがすごくって、どこまでも冷静かつ穏やかに対応する。
「どうもすみません」
しかしこんなことじゃおさまらないですよ。
Oさんは続ける。
「前からK先生には言っておいたのに、ちゃんとしてくれないから、洗濯ができやしない」


この会話だけからではどういうことかわからないかもしれないが、保育園というところは
先生だけではなくって、看護婦さんや給食のおばさんやそうじのおばさんなどいろいろな人が働いている。
omiは一応、保育補助という名目で教室にはいっているのだが、保育補助のほかにも椅子の補修をしたり
(これは今、悲惨なことになっている。−だいたいomiに頼むのが間違っている。)
洗濯やそうじの手伝いなどもする。

アルバイトの人も何人かいてそれぞれの分担が決まっている。
保育補助を主にする人やいろいろな雑用をする人やミシンなどのつくりものをする人などで、
担当する学年もだいたい決まっている。

Oさんは長年の経験があるので、保育補助にも雑用にもフル回転をする。
何でもきちんとやらなければならない性格のOさんは、洗濯物もリネン類や雑巾の管理も徹底している。
幼児と乳児の足ふきマットがきちんと完璧に分かれているのも彼女が
しっかりと管理しているからだ。

要はこのきちんと管理されているマット類が一日の終わりとともに洗濯場にだされていないということをOさんは訴えている。

いいかげんなomiは朝、マットがあったら持っていって洗濯すればなんてことはないのになと思うんだけど、
Oさんにはそんなことは考えもつかない。

そしてものすごい勢いで怒っている。
「すみません」
とT先生。
そして決まり文句がはじまる。
「去年のクラスはなんでもキチンとやってましたよ。今年のクラスはどうしてきちんとできないんですか?」
T先生はこの時、少しだけ反撃した。
「でもその年によってやり方が違うんです」
そんなことではOさんはおさまらない。
なんといっても管理されているマットが彼女の手元に戻ってこないんだ!!
「いくらやり方が違っていても、外に出るときにちょっと持ってくればいいでしょ」
だんだんトーンがあがる。
T先生は落ち着いていう。
「でも保育が優先だから」
なんでこんなに穏やかなんだ!!
「そんなことを言ったって、洗濯物が間に合わないじゃない。雨が続くし、大きなマットは一日じゃ乾きませんよ。」

大きなマットというのは外遊びをした時に、部屋にはいる前に足を洗ったり、
シャワーにかかったりする時に使う足ふきマットだ。
主に午前中にこのマットを使うので、使い終わったらだいたい先生かomiが洗濯場にそれを持っていっている。
どうして大きな足ふきマットのことに関してすぐに洗濯場にもっていっていると断言できるかと言えば、これが教室にごろごろしているとじゃまだからだ。

だから足ふきマットに関しては洗濯場に直行しているんだけど、そんなことはこの場で絶対に言えませんよ。
それこそ火に油を注ぐようなもんだ!

T先生は言った。
「園長先生もおっしゃっているんだけど、洗濯物が乾かないようだったら、外に干すだけでいいということなんですよ。」
それを聞いたOさんはバージョンアップした!!
「そんなことをしたらかびだらけになるでしょ!!!!!!」

園長先生も間接的に批判されている。

ちょっとぬれているものを干したらかびがはえてくるか??
でもそんなことは言えない。

その会話をじっと口をあけながら眺めている子供たち。

1歳の子供でも何かがあったなってわかりましたわ。
きっと。
ちょうどおやつの時間なので机の周りにきちんと座っていたので、
より正確に状況を把握できたかも。。。。
しかもおやつはその間、配給されなかったし。


そしてどうもOさんはマットのことだけを考えているのではなくって、omiが作りかけている悲惨な椅子がポンとシャワー室の前にほうりだされていることにも目がいっていたらしい。

子供たちはこの時期、シャワーをすることが多く、Oさんはその準備もする。
そしてシャワー室の前にその椅子が無造作に置かれていることに、Oさんにびびっときたようだ。

「omiさんあの椅子はどうするの?」
また緊張するomi!!
できればそこにおいておいてほしいというのがささやかな願いだが、その願いもむなしくなってしまいそうな勢いだ。

「ああ、すぐにしまいます」
つい口からでてしまった。
しかしおやつの片付けをしなければならないomiは
すぐに現場に急行することができなかった。
するとOさんはその椅子をかたづけてしまった。
いやいや毎回片付けられても、作業がすすまないし。。。
でもこの怒りの嵐の中で
いろいろな選択はない。

椅子は片付けられた!!


この日は朝のおやつの後が避難訓練だった。
保育園の避難訓練はよくある。
いろいろな場面を想定して行われるが、今回は火災があって1階のホールに避難するというものだった。
避難訓練では職場の大人は全員、子供達の避難の補助にはいる。
給食のおばさん達も一歳児の部屋に飛んできてくれた。
おばさん達に子供たちをだいてもらう。
だいてもらいながらすぐに避難ははじまる。

omiが避難場所の1階にたどりつくと、もう全員がそこにいた。
そしてそこには2歳児のひとりをおんぶして2人を手に抱えているOさんの姿があった。

出席簿となぜかおんぶひもだけもってぷらぷらと避難したomiとは対象的な光景だ!!
すごいよ。
背中にひとり、両手にひとりづつ。
3人ですよ!!

先生だってそこまではできない。

先生達はこういう時のおんぶはものすごくてきぱきとはやくできるのだが、
omiはまったくそういう行動をとることができない。
なるべく子供たちは災害時にはomiから遠ざかっている方が賢明だということことを自分達で悟ってほしい。
その点、Oさんはやっぱりすごいわ。
たぶんぱっとひとりをおんぶして、ひとりを抱っこしてそして避難したんだわ。
そしてどこの段階かはわからないが、
2人を3人に増やして避難完了にさせた。
これはやっぱりすごすぎる!!
まあこれだけ完璧にするのだから、椅子もマットも非難したくなるのかもしれないけど。

この日はなんとなくぴりぴりとことがすすんだ。
緊張感が漂うというのは保育園のことなんだと思ったりする。

お昼ごはんがおわり、子供をパジャマに着替えさせ、少し時間があるので、例の椅子をつくり始めた。
でもなんとなく片付けてある椅子を引き出すことができずに、椅子の周りにはる紙を用意するomi.

紙の用意をしているとOさんがリネン室からでてきた。
あれあれと見ると手にはいつも持参している水筒がある。
あれあれと思っている間にすっとomiの横を通りぬけ、なんと帰ってしまった。
あれはかなり怒ってましたよ。
挨拶もなかったですもん。

次の日の朝、T先生が言った。
「昨日はあれから大丈夫だった?」
いやいや大丈夫なわけないし。
「Oさんは挨拶もしないで帰っていきましたよ」
とomiもちくる。
「昨日はOさん時間より前に帰ったらしいんだわ」
とT先生。

ありゃありゃ、早く帰ってしまったんだ。
そしてその日にわかった。
Oさんは来週、お休みだ。
やっぱあれだけの完璧主義なんで疲れたのかもなあ。
しかし来週、きっとばらばらになるマットのことを考えるとさ来週が怖いわ。



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