omi 鎌倉に行く |
2004年11月 |
新宿御苑の撮影に気をよくしたomiは今度は鎌倉に出没することに相成った。 前回、経験したとおり、写真を撮るのなら朝はやくでかけることがキーポイントだ。 そこで、また息子が学校に出かけてすぐに家をでることにした。 前回、大失敗だったのは息子に新宿御苑に行ったことを話したら、母が一日好きなことをやって暮らしていると深く確信されてしまって、一時的に身動きがとれなくなってしまったことだ。 今回はその反省を踏まえて隠密行動を取ることにする。息子がでるまでパジャマで過ごし、玄関で送ってからすばやく準備をした。 その間10分はなかったな。 今回は郊外の鎌倉なので、交通費もなるべく安くしようと考えた。そこで川崎までバスに乗る。 川崎から東海道本線で大船へそこから横須賀線で北鎌倉に行く。 川崎から大船までは2駅だ。私も「え?!」と思ったが、快速に乗ってしまうと途中停まる駅は横浜だけだ。 ただその間はえんえんと電車に乗っていなければならない。同じ2駅でも五反田から恵比寿というのとちょっと違う。 そしてこれも横須賀線に乗ってはじめて知ったのだが、大船の次は北鎌倉だった。 つまり北鎌倉はうちから3つ目の駅ということになる。 omiは家を出るとき、一応お金を持ったかということはチェックしたのだが、(前の日に買い物に行った時、お財布を忘れていたんです。)なんと地図を忘れてきた。 鎌倉は関東圏に住んでいる方だったら一度や二度は行ったことがある土地だ。omiも例外ではない。しかし、ひとりで来るのは初めてだし、団体行動をしないのも始めてだ。それなのに地図がない。ちょっとだけどうしようと思ったが、北鎌倉で降りてからなるべくすいている方に歩けばいいことを悟る。 北鎌倉の駅につくと朝9時というのに結構な数の人が電車から降りた。そしてそのほとんどの人が円覚寺方面に向かった。そこでomijは踏み切りをわたって浄智寺方面に向かう。 駅の円覚寺方面の出口のところにスイカカードで降りられる方はこれを使ってくださいという小さな機械をみつけて、それにスイカをあてた。ところが踏み切りをわたると本当の改札口がちゃんとあった。(なにかややこしいんだ) もちろん駅員さんに言いましたよ。 「すみませんスイカ向こうで押しちゃいました」 駅員さんも10人に一人ぐらいはこういう人がいるのか、なれていて 「どうぞ」 と言って改札を通してくれた。 若いときはこういうのがいやだったんだけど、今は「おはようございます」っていうのよりも簡単に当たり前にこういうことができてしまう。 まだ9時だったせいもあって、円覚寺と反対側の方面の道は人通りが少ない。 浄智寺に向かっていると東慶寺の標識があった。まずここに行こう。 omiの予想が大当たりでこのお寺はものすごくすいていた。訪れているのは写真を撮っている人が2人だけだった。 このお寺は小さいけど奥のほうに行くと山に通じている。だから山の色がものすごくきれいだ。みんな途中で帰ってしまうんだけど、がんばってちょっとだけ階段を上って奥のほうに進んでいくと見事なもみじが見られる。 行った時は朝日が差し込んで葉がきらきらとしていた。 どうもデジカメでうまく写真が撮れない。カメラマンじゃないからってさっさと思えばいいのだがが、いい写真がほしかったomiはそれを自分のせいではなくデジカメのせいにした。 このお寺はガイドブックなどには秋のみどころというような項目では載ってないけど静かでお勧めだ。 ここから山にはいるともっと違う写真が撮れたかもしれない。ただ今回はその時間がなかった。 再び、通りにでてすぐ近くの浄智寺に向かう。ここはガイドブックにイチョウがきれいですと書かれていた。ただこれは何本もイチョウがあるのではなくメインの大きな木があるのだ。古い石段を登ると小道は境内に続く。この日は空が青くて朝の空気の中でまだ紅葉していない葉も赤や黄色に染まった葉も美しかった。鎌倉は山に囲まれているので、岩を切り崩して道を作っているところが多くある。この寺の中には用水路が岩を崩して作られていたし、切り崩した岩の下にお地蔵さんが並んでいたりした。ガイドブックではイチョウとかかれていたが、この寺は竹が美しい。 ここでひとりのカメラマンがばしゃばしゃといい音をたてながら撮影していた。 その横でがんばって写真を撮るomi。 決してじゃまをしようとしていたわけではないんだけど、やっぱちょっと素人はじゃまだったかな。そのカメラマンがお地蔵さんの顔をアップで撮っていた。なるほどと思い、カメラマンが去ってから同じようにアップでファインダーをのぞいた。しかしお地蔵さんの顔のアップなんてよほどいいカメラマンじゃないと撮れないことを悟る。あのままお地蔵さんのアップを撮っていたらお地蔵さんがかわいそうだったな。 カメラマンのまねしていいところとまねしない方がいいところとの境がなかなかむずかしい。 ただどちらにしてもカメラマンのようには撮れないということははっきり認識しておいたほうがいいことは確かだ。 ここから円覚寺に行ってみようか、先に進もうかちょっと悩んだが、円覚寺方面からどんどん人が来るので、円覚寺は混んでいるなと判断。先に向かう。鶴岡八幡宮に向かう道はおみやげものやさんと観光客で賑わう。平日の午前でこうだから、休日はすごいだろう。(絶対に休日には行かないぞ) 人がいかない道を選ぼうと亀ガ谷坂方面にはいる。小学生に挨拶をされる。 「どこから来たの?」 「千葉です」 「えっそんな遠いところから遠足?」 「いえ、修学旅行です」 なかなかはきはきして賢そうだ。 今は小学生の修学旅行も班行動ということを知る。この小学生に道を聞こうかと思ったが(何せ地図がない)わからないまま歩くのもおもしろいかと思いやめておいた。 亀ガ谷坂は切りとおしになっていている。昔ここを切り開いて道を作ったのだ。坂が急だったが小学生は走ってた。 さらにまっすぐ歩いていくと線路にぶつかった。表示があった。銭洗い弁天と鶴岡八幡宮のどちろを選ぶか。銭洗い弁天に足がむいたがすぐに鶴岡八幡宮のイチョウを思い出し引き返す。 線路にそって歩いているとススキがきれいだ。この線路ぎわのすすきこの日の一番の収穫だった。 写真を撮ったが電車の中の人はあのおばさん、何やってんだかと思ったかな? 少し人通りのある路にでる。先ほどとは違ったグループの小学生が前を歩く。じゃあきっと鶴岡八幡宮はこっちだなとついていく。 後ろからなんと人力車がきた。若い男の子がひっぱっている。 その人力車をみて小学生は大喜びで走ってついていってしまった。 ここでomiまで走るわけにはいかない。 たぶんだ。omiが走ると何事があったのかと思われるだろう。 しかし方角はこちらだなと検討はついた。 突然、バスがいっぱいでてきた。看板には鶴岡八幡宮とかかれている。ただあまりにも広くってどちらかなと一瞬迷った。人の波にのまれるように進む。ここは混んでいるのはわかっていたが、せっかくイチョウの季節でもあるのであの大きなイチョウを見ておこうと思ったのだ。人はすごいけど境内は広い。七五三のお祝いの帰りの子供たちもいる。 めざすイチョウは階段の下にあった。 さすがに大きかった。この木は樹齢1000年といわれている。もうちょっとこれが大銀杏って大げさにすればみんなこの木に目がいくのかもしれないが、ただ通っている人のほうが多かった。 階段の上に行くのはどうしようかと迷ったがやめた。このイチョウが見たかったのでここはひとまずこれでよし。 ここから鎌倉駅まではすぐだ。にぎやかなおみやげ物やさんが並ぶとおりを抜けて鎌倉駅に着く。 12時半だった。3時間半、鎌倉をぶらぶらと歩くとこれだけのものが見られる。しかも2時には家に戻れる。この日の隠密行動は作戦成功だった。 家に帰ってからゆっくりとして晩御飯の用意をして、息子が帰ってきた時は何事もなかったようにした。 この作戦ってこれからもいけるかも。。。 |