次男のお引越し 
2010年4月13日

次男は家を離れて生活するのははじめてだ。
長男が大学2年の時に家をでていったことを考えると、大学4年まではぬくぬくと家にいてしまったって感じだ。
食事ももちろんつくってもらうし、洗濯もしてもらう。
(本人はそれが当たり前だと思っていたかもしれないが。。。)
当然、学生時代のアルバイトのお金は生活費ではなく、遊ぶために使っていた。
しかもそれを一銭も残さず、学生時代に使いきってしまって、母からは借金をし、
(母が借金をしたいような状況であるにもかかわらずだ)しかも、軍資金まで借りて、今回、地方に研修に行くことになった。

4月1日までは次男は揚々としていた。
3月31日には入社式の練習にいって、
(なんだか小学校みたいなんだけど、会社も次男みたいな子がはいるっていうので不安が募り、練習させたのかもしれない。。。)会社の歌とかを覚えさせられ、家でまでその社歌を歌っていた。
なんせフレッシュマンであるし、未来があるでしょ。

それがだ。
だんだん現実のものとなってきて、必ずしも自分にとっては明るい未来ばかりじゃないってことを実感しちゃったみたいだ。

入社してすぐにわかったこと。
まずは地方で工場研修をうける。
場所は未定。
次男は入社式の次の日には週明けには研修地がわかり、わかった次の日はもう移動があると言ってくれた。
にわかに忙しくなる母。
入社式があった週の週末には次男をつれて実家にいったり、お墓参りをさせたり、挨拶をさせるだけで一日が使われた。
しかもなにも荷物もまとめない次男。

そして週明けにわかったこと。
移動は移動地が発表された次の日ではなくってその次の週(つまり4月3週目)であるってことだった。
間違った情報だけはどんどん仕入れてくる次男。
それでめまぐるしく動く母。
母は言った。
お引越しの用意は自分でするように。
お引越しの用意は確かに自分でした。
しかしお墓参りの帰りにドラッグストアによった次男は母にたくさんのものを買わせた。
現地で買いなよ!!!!!!
母は叫ぶ。
しかし次男は母の財布からできるだけのものを引き出そう(って言ったって元が足りてない。。)って計算をしている。

次男は
なべが必要だといいはじめた。
自炊をするっていったって、お湯をわかしたりするぐらいでしょ。
最初は疲れて自炊などできっこない!!
しかも今までしてこなかったんだから!!!
で、小さい蓋のついてないなべを買ってあげたんだ。
するとこんどはご飯を自分で炊くといいだした。

次男の研修先では会社が部屋を用意してくれていて、そこには冷暖房はもちろん冷蔵庫、洗濯機、テレビなどいろいろなものがついているらしい。
ただ炊飯器はない模様。
で、ご飯をたくために炊飯器を買うとまでいいだした次男。
もういい加減にしてよ!!!

ご飯はなべで炊きなさい!

と言ったんだけど、お湯をわかすのに便利な蓋のない小さななべを買ってしまった母。
なべばかり持っていくわけにいかないでしょ。

すると次男はいった。
このなべにまな板で蓋をしてご飯を炊く!!!!

どうなるかやってごらん!!

実験結果は母にも報告せよ!!
なにか普通に物事を考えてはいけないんだ。。。

引越し荷物をつめるダンボールは自分で近くの宅急便のお店で買ってきた。
それにどんどん着替え、生活用品をつめる次男。
なんとなく楽しそうだ。
なんでも楽しくてなにより!!!
ほとんど遠足気分なんだな!!

母の仕事中に次男はせっせと引越し荷物を作った。
よって何がそこにいれられているかは知らない。
しかしたった何ヶ月かのためにダンボール2つも梱包していた。。。
昔、母はアメリカの行った時はスーツケースひとつで何ヶ月も暮らしたよ!!

そして、つめなおしをしている場面をちょっとみたら、驚いた!!!!
(ここからは今週のomi家にもちょっと書いたけど)
なんと!!
今、家で使っているスプーンやフォークがセットで入れられているんだ。
しかもそれらのものは香港で買ったものだ!!!
なぜ!あんたはそれを持っていく!!!

しかもそれらはナイフとフォークのセットになっていた。
あんたはディナーを作るのか???

しかも、隙間があったらもったいない!!
といって、隙間には
お米をつめた。
お米はもちろん家にあるお米だ!!
だいたいまな板の蓋でそれだけのご飯を作れるのか????

洗濯石鹸、シャンプー、リンス、食器洗いの洗剤、油、トイレットペーパーまでことごとく荷物につめられた。
全部、現地で買えばいいでしょ。

しかもさらに驚いたのは、もっていくリストの中に
白のワイシャツとなっていた。
白ワイシャツはなんで1枚なんだ。。。。。
因みにネクタイも
となっていた。。。
この子は大丈夫だろうか。。。

引越し荷物ができあがって、おばあちゃんの家に2回目の挨拶に行く時に(前の週に、すぐに出発だと思って挨拶にいってしまってる。)その荷物を宅急便やでだした。
ひとつの箱はなにがはいっているのやら異様に重い。
それを自分でかついで、もうひとつの比較的、軽い荷物を、荷物を運ぶ小さな家庭用の台車にのせて、母がそれをひっぱった。
重い荷物は母はまったく持ち上げられなかったが、それを運ぶ次男。
力だけはあるのかも。。。

宅急便やで個口伝票にあて先を書く次男。
おねえさんが言った。
『○○円です。』
ここで次男は母の顔を見た。
『お財布もってる?』
本当に忘れたのか、故意に忘れたのかわからないけど、次男はお財布をもってなくって、結局、代金は母が払った!
どこまでも大変なお引越しだ!!

おばあちゃんは言った。
最初はどこに言っても大変なのよ。
それを聞いて
『わかったわかった』
という次男。
何がわかっているのかわからない状態。
しかもお昼をご馳走になり、おばあちゃんには
『アイスクリームない?』
と聞く。
おばあちゃんが今日はアイスクリームはないと答えているのに、さらに自分で冷蔵庫を見に行く。
なんであんたは疑う!!
おばあちゃんも孫には甘いんだな。

出発の前の晩、最後の点検をしていた次男。
忘れていたよ!!
目覚まし時計をもっていくのを忘れていたらしい。
手荷物の中にどんとでっかい時計がいれられた。
それを見た母。
『電池はぬきなよ!!!!』
まったく爆弾の犯人と思われたら大変でしょ!!!


最後にパソコンのケーブルをぬいて、手荷物の中にいれる。
本当に手荷物検査で、爆弾犯と間違えられないか。。。
母はそういうことを心配しなければならない。。


当日の朝、6時前に起きる。
自然に母も目を覚ます。
いつものように目玉焼きとソーセージのセットの朝食だ。
これからは自分で作るんだからね!!
そして、いざ家を出るときに、
かさをどうしよう?ということになった。
ビニールかさを現地で買えばいいんじゃないか???
と本人が言う。
よって傘はもっていかない。
ただ扉をあけるときに折りたたみの傘を入れ忘れていたことに気づく。

玄関の扉をあけて言ったこと。
写真写して!
そういうことか!!
自分の携帯で写真をとる。
こういうところだけはきちんとしているんだ。

このようにして、入社二週間目にして、家を出て行った次男。
出発までえらく大変だったが、息子を社会に送り出すってこういうことなんだな。
と母は実感した。


Back

inserted by FC2 system