ひかりが来た

2005年1月27日


とうとうomi家もADSLからひかりになった。
KDDIのひかりプラスだ。今日は設定のおじさんがきてくれて、パソコンとテレビに配線をつないでくれた。こんなことはひとりでできるだろうと思うのだが、つまづいたらそこまでになる。
今までにもどれだけパソコンの設定で苦労したか数え切れない。無料となればそれはもちろん来てもらうことになる。

おじさんが来るにあたって、昨日から
掃除をしなければならなかった。本当に本当に掃除って苦手だ。そうじをしなくても基本的に困らないと思っているからいけないのかもしれないけど、食べるために食事を作る、とか着るために洗濯をするとか考えると何のために掃除をするのかというのが心の中で葛藤となる。別にきれいじゃなくっても伝染病なんかにならない程度だったらいいじゃないって思うその心が掃除から遠ざけているのは確かだ。しかひ今日はそんなことは言ってられなかった。前々回のADSLの配線をしてくれたおじさんなんかは、がんばって片付けたにもかかわらず
「このあたりを少し片付けておいていただくと今度は楽だと思います。」
なんていってくれたんだ。
「おじさん、私は2日前から片付けてまくっているんです」
というのがその時どうしてもいえなかった。だから今回は同じ人だと困ると思って、昨日から片付け始め、今朝は
根性をだして、掃除機を念入りに使った。

しかしおじさんは前回と違う方だった。

おじさんは来てくれる前に電話をしてくれた。omiはパソコンのスイッチをいれ、テレビをつけ(正確には韓国ドラマを見ていたのではじめからついていた)スタンバイOKの状態にしておじさんを迎えたのである。
パソコンの待ちうけ画面を2日前にアンジェウック様にしてしまったんだけど、この配線が終わってからにすればよかったかなとそこまで考えた。家がきたないだけでこれだけ、がんばらなければならない自分がちょっとかわいそうだ。

事前に送られていたモデムの箱を少し開けておいたのだが、おじさんはその中の配線などの袋から中身を出す作業からはじめた。
「すみません。ちゃんと中をだしておけばよかったんですけど」
「いいえ。だしておいてくださる方もいるんですけど、わからなくなってしまう時もあるんですよ。このほうが作業がしやすいです」
おじさんはなかなか親切だ。omiはちょっとほっとする。ADSLのモデムがおかれている場所は掃除機プラス拭き掃除をした。しかし配線をはずされたADSLのモデムにはほこりがかかっていた。
そういえばまわりは掃除したけど、モデムは拭かなかったなあと思った。おじさんはそういうことをまったく顔にださずにもくもくと仕事をしてくれる。
「ここの配線はピアノの後ろに回したほうがいいですね」
またどきっとしなければならない。ピアノの後ろなんか埃のすみかのようになっているんだ。
「ああ。ピアノの後ろに回すにはちょっとコードが短いかなあ」
おじさんはコードをピアノの後ろに回せなかったことが残念そうだが、
omiはちょっとほっとする
「なるべくコードは見えないようにしておいたほうがいいんですよ」
おじさんは説明する。コードに触れるとそれで接触がおかしくなることもあるらしい。おじさんは極力ピアノのしたにコードをまわし、電話までコードをひく。こういう細かい作業をする人はomi家にはだれもいない。おじさんは貴重な存在だが、omiとしてはなるべく部屋の細部に目がいかないように願うのみだ。部屋の隅とピアノの間の微妙な隙間にコードがぐるぐるとおかれていた。それは昔、本箱の後ろを通してひいたコードの
残骸だ。パソコンをかえたりADSLにしたりした時に本箱の後ろからうまくひっこぬけなかったコードがそのまま部屋の中にころがっているのだ。
「これはナンですか?」
と聞かれて、
ドキッとする
「コードの残骸なんです」
「なるほど。これは線が長いなあ。これをうまく使えないかなあ」
おじさんはかなり几帳面な性格らしい。ちょっとでもすっきりと、ちょっとでもきちっとというモットーを前面にだして仕事をしてくださっているようだ。しかし
omiはまたどきっとした本箱の後ろもほこりの山となっているはずだ。おじさんはいろいろやってみていたが、どうもそのコードがうまく使えないということがわかったらしい。そこで新たにコードをひくことにした。omiはほっとする

おじさんは前回ADSLの設定に来てくださった方がどんな方だったかを尋ねた。omiはこの種の質問に本当に弱い。
男とか女とかはわかるんだけど、年とかまったくわからない時々わからないんじゃなくってほぼいつもわからない。しかも容貌とかきかれるとますます困ってしまう。精一杯いった。
「30代から40代ぐらいの男の方です」
なにかおじさんの反応がにぶかった。
「落ち着いた方でした」
そりゃ、お客さんの家に言って設定するのにちゃちゃかしていたら苦情がいくだろうから、みんな落ち着いている。おじさんは
「じゃあ○○さんかな」
と言った。
よくこれだけどわかるなあと思った。
「もう一人の方はこの使えなくなりかけていた
マックを蘇らせてくれました。背が高い方です。」
背が高いというのはomiを基準にしている。でもおじさんはまたわかった。
「じゃあ○△だな」
このおじさんはただものではないんじゃないかと思った。

そうこうしているうちにおじさんは手際よく配線を終わらせていく。モデムからパソコンへそして電話へ。そして
テレビへ。そうなんです。今回、このモデムからテレビの線が新しく引かれるのだ。テレビは息子がいつも使っているテレビを使用する。ほとんど私専用になっているテレビにつながなかったのは、そのテレビが置かれている場所が想像を絶する状態になっているからだ。息子は今日、自分のテレビがいじられることを知らない。しかしまわりに乱雑に散らばっているビデオはせめてそろえておかなければと思い、このテレビの近くも少々片付けた。

テレビの横に小さい機械がおかれテレビに回線が通じた。すごいことですよ。電話線を通じてテレビが見られるようになったということだ。おじさんが工事をしている時に聞いた。
「ひかりになると、動画を見ているときに画面が途切れることがなくなりますか?」
おじさんは即答できなかった。動画が何かということが必要だったようだ。
「韓国のテレビをネットを通してみているんですけど、時々、紙芝居みたいに絵が動くようになってしまうんです」
「ああ、それはADSLでもひかりでも同じですよ」
「え!!?」
「それは向こうのコンピューターの問題なんです。」
「人気がある番組になると紙芝居になってしまうというのは、たくさんの人がアクセスしているからだということなんですよね」
「そうですね。回線ははやくなりますが、それをつなぐのに待つという状態になるので、そこのところは同じなんです」
omiはちょっとがっかりした。これで韓国テレビ見放題と思っていたが、そううまくはいかないようだ。
「今、韓国のドラマが本当にはやってますよね。どこの家にいってもどうやってみるのか聞かれますよ」
「やっぱりそうなんですか」
omiはネット合戦に参加しているライバルのことを考えた。

おじさんはテレビから再びパソコンのほうにいってまたパソコンの設定をなおしてくれた。これでひかりになったんですが、違いがわかりますか?
はっきりいってこれがひかりと目にみえないのでomiには違いがよくわからない。ADSLの時は本当に違うなとわかったんだけど。
「自分でちょっとやってみてください」
「じゃあ韓国のテレビにしてみましょうか」
「そうですね」
韓国のテレビを流しはじめたが、はやくなったのかそうじゃないのかやっぱりわからなかった。
しかしおじさんの方はちょっと反応があった。
「これは初めてみるなあ。これは向こうのテレビなんですか?」
omiは専門家に聞かれてちょっと得意になる。
「そうなんです。先週これをみつけて毎日、見ているんです」
おじさんは聞いてきた。
「もう一度見せてもらえますか?」
omiはさらに得意になる。ホームページに戻り、解説をはじめた。
「パソコンって本当に頭いいんです」

あまりにも得意になっていたのでパソコンの前にもう少しで
うちのという単語を入れてしまうところだった。(頭がいいのは我が家ではパソコンだけ)
「ここを押すと番組表が日本語ででてくるんです」
とおじさんに説明する。
そしてここには韓国の主なテレビ局があるのでここで好きなところを選ぶんです。
まるで自分が作った装置のように説明する。
「これは今、韓国で流れている放送ですか?」
「そうです。」
おじさんに教えてあげることがあってかなり得意げなomi。
これで家のきたないことが帳消しになったという気分だ。

おじさんはその後、テレビの使い方を説明してくれた。
「若い人だとすぐにわかるんですが」
さっきの得意げな顔がomiから消える
「ゆっくり教えてください」
そして実際にリモコンを手にしてテレビをうつした。ひょっとしたらできるかもしれないなとちょっと安心する。

これで今日の設定はおわり。
30分ぐらいの出来事だった。この30分に全精力を費やした形だった。

これからは毎日、新聞でテレビ欄を見て、ネットで韓国テレビのテレビをチェックして、電話経由のテレビの本を見ることになる。今にテレビにつぶされてしまいそうだな。
どこまでテレビに勝てるかちょっと勝負なんじゃない。




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