今週のomi家
(友達のファーストコンサート)

2005年9月



20年以上も前に勤めていたところの仲間と会った。
なななんと、仲間のひとりが歌手デビューしたんだわ。
20年以上も前ということから彼女の年を推察してください。
歌手デビューといっても、某会の歌の発表会みたいな感じで、ファーストコンサートというのとは
かなりわけが違っていたな。
で、omiは一番後ろに仲間と陣取り、半分寝て(半分はゲストとか応援の人の歌だった)、後半に力をためて、最後の歌のときに叫んだ。
「かおりちゃ〜〜ん」
かおりというのが彼女の芸名なんだ。
本名とはまったく違う。
どこでもうるさいomi.
でも昔のように声が通らなくなったなあ。
(ということはいつも舞台を見て騒いでるってことか?)

この日、応援に言った仲間はomiをふくめて5人。
このグループの特徴はみんな動きがはやいんで、omiは何もしなくっても会場にいけるというところにある。
ウチがあっという間にいろいろ手配するし、ケタは金で解決するとなると金をだしちゃうんだわ。
あと全員が口が達者というところもすごすぎるものがある。

そもそも今回のこのファーストコンサートというのはクラのところに連絡があった。
で、クラはそのやっかいな問題をひとりで抱え込むことはできないとすぐに判断。
で、みんなにコンサートに行くことを指示した。
クラが賢いところはそれから先のまとめ係をウチに任命したところにある。

ウチはこのような係りにもってこいの人物だ。
自分はワンハンドレッドパーセントちゃんとしているのに、他のいいかげんな面々が時間通りに来るかとか、お昼ご飯はどうするかとか、どの電車に乗れば最適かとか
全部心配してくれた。

omiのところに最初に連絡がはいったのはこのウチからだった。
「今度、コウコが歌手デビューします」
というメールだった。
omiの頭はこのメールが何を言っているのか理解できなかった。
でもウチのメールにはこう付け足してあった。
「ともちゃんもぜひ行くって言ってます」
じゃあ、行かなければならないかというマインドコントロールがこの文には含まれていた。
で、返信した。
「行きます」
要するに、この歌手デビューが何のことであるのか、どんな歌をうたうのか、なんなのかかんなのかってまったく知らないで、このファーストコンサートなるものに行くことになったんだ。


ウチのメールには書かれていた。
「他の人はともかく、ケタは絶対に時間に来られないと思う」
来られないというのは、その日が忙しいとか、そういう理由じゃなくって、昔から
時間通りに行動することが苦手ということを意味している。
で、何事にもきっちりしているウチは電車の時間まで決めて、途中駅でケタと待ち合わせるという設定をした。

当日、上野駅の常磐線のホームに集合。
ホームに行ったらともちゃんがもう来ていた。
ともちゃんとは2年ぶりだ。
なのに一番最初の言葉は
「このコンサートってナンなの?」
だってさあ、ウチからのメールではともちゃんがぜひ行きますって言っているって書いてあったじゃない。
なんでともちゃんがコンサートの内容を知らないんだ?

「いやいやともちゃんがぜひって言っているっていうから私は来たんだよ」

ともちゃんはソプラノの声で答える。
「え?そうだったの?みんなと会えるからまあいいかと思って言ったのよ」
どうしてこういい加減なんだ?

その時、ともちゃんの携帯が鳴った。
ウチからだった。
ともちゃんは電話しながら、手を振っている。
要はすぐ近くまできているのに確認もせんと電話してるんだ。

こういう時、ケタはほとんどやくにたたない。
なぜならばケタはなんと携帯を持ってないんだわ。
携帯は持ってないしPCも使わない。
なのに、ばりばりのキャリアウーマンというところが信じられない。
しかもいろいろな設定をすることをめんどくさがる。
でも仕事はきっちりやる。
使い分けがうますぎる。

この日はウチがこれだけ設定してきてくれたからケタも間に合うことができた。
途中駅でウチを待っていたケタに言わすと
「私は時間よりかなりはやくホームについたのよ。でも前の電車に乗ったらみんなが探すでしょ」
こんなことを自慢したってさあ、昔のことを知っている仲間には通じないんだよ。
一番心配なのはケタっていうのは昔からのお決まりだったんだから。

とにかく、上野駅で全員がそろった。
会うとすぐにホームにすでにはいっていた電車に乗った。
ウチは乗りながら、
「ビールいらないか?」
といってたな。
これも信じられないひとことだけど、この日のなかでは
微々たる言葉だったな。

5人というのは微妙な人数だ。
4人がけのボックス席ひとつではおさまらない。
ボックス席2つを陣取ったんだけど、omiの横のあいている席に来る勇気のある乗客はこの日はいなかった。
(というか絶対にこないだろうな)
間違って、ケタの隣に座った人は、窓際の席を指して
「そこいいですか?」
なんて言ったもんだから、ケタに
「どうぞお通りくださいませ」
なんていわれるしさあ。
このおじさん、座ったらすぐ寝た(ふりをしていた)と思う。

そもそも今回のファーストコンサートはナンなのか?
クラが説明してくれた。
コウコから電話があって、歌手デビューするんで、クラとケタにこのコンサートに来てほしいと言われたのが発端だったらしい。
で、コウコはなんとカセット(CDは高くてだせなかった)もあると言ったので、ケタがそれを
5本も買ったそうだ。
しかもこの行きの電車でわかったのは、このカセットをクラもケタも一度も聴いてないということなんだ。
着物を着た写真がうつってたからたぶん演歌じゃないかってとこが最大限の情報だ

そのカセットはまだ職場につまれていて、昔の仲間だった方がこの2人にだまされて一本買わされたらしい。
ケタは言った。
「よかったらあげるわよ」
もう買ってなんて言わない。
あげるっていうんだ。
でも誰もほしいって言わなかった。
まあいろいろな情報があったら、この電車がよけいうるさくなるんでよかったかもしれない。


ウチはもうすぐ御主人の出張に同行してヨーロッパに行く。
「着ていくものがないんだ」
というウチにケタは何て言ったか。
「あんた着るものぐらいちゃんとしなさいよ。みっともない。若いころから着るものがないないって言っているじゃない」

この一言って普通だったら普通の言葉じゃないでしょ。
でもケタだから何を言っても許されるんだわ。
信じられないけど。
この日だってウチは毎日テニスで鍛えているスリムな体にフィットしているみぎれいな洋服で参上していた。
なのにこんな言葉を投げるか?
でもケタは何でもありなんだわ。
みんなもそんなもんかと思ってる。

で、また言った。
そのウチは結構年老いたうさぎを飼っている。
そのウサギを何週間か子供たちだけで面倒を見させるのが心配だという。
子供たちっていったってみんな成人しているんですから何もそこまで心配じゃないって思うんだけど。
でもまたケタは言った。
「そうね。それだけ家を空ければ死んじゃうかもね。」
どう考えてもこういう言葉って普通言わないでしょ。
でもケタは言うのよ。
omiは言った。
「そういうことって普通言わないんじゃないか」
そんだらクラが言った。
「あなた言うわよ。ケタだもん。これだって抑えているのよ。」
クラとケタは今でも同じ職場にいる。
クラに言われてやっぱそうだなって納得するところがすごい。

到着駅に着くと、ほとんど全員が始めてのその駅で、またウチが手腕を振るった。
出口はこっち。
迎えのバスがこのあたりに来ているはずと。

えっ?
迎えのバス?
駅の近くじゃないんか。
「何か食べるものがいるかな?」
とウチはいう。
えっ?
ランチがついているんじゃないの?
「ランチはコンサートが終わってからでるらしい」
そこではじめていろいろ詳細がわかってくる。
要はウチもそれをいわなかったし、omiもそれを聞かなかった。
だからランチがでるというので、ランチをほおばりながら、歌を聴くんだと思ってたんだ。
ケタが言った。
「そんなことさせるわけないじゃない。話してばかりいて、歌なんか聴かない」
だな。
それは確かだ。

迎えのバスはそろそろ出発らしい。
「そういうコンサートホールだったら喫茶店ぐらいあるわよ。とにかくタクシーを使うよりバスにのろう」
と、誰がいったかは覚えてない。
でもいわれたとおりにバスに乗り込んだ。
席に着くとすぐに席替えをするケタ。
「ここ足がのばせないのよ」
よく見て座りなよ。

バスは出発した。
郊外のこの町の駅のにぎやかなところから少しずつ離れていく。
たんぼが見えてきた。
「これって稲をもう刈り取った後だ」
なんて会話ができるような風景になる。

で、しばらくするとバスは
まわりに何もないコンサートホールについた。
ホールでバスを降りるとすぐに受付の人にレストランがないか聞くウチ。
しかしレストランも喫茶店もそこにはなかった。
しかも結構、時間に余裕があるわけではなく、もう食べる暇はないかって思っていたら、またケタが言った。
タクシーをよぼう!!
タクシーを呼んでコンビニで何か買ってこよう。
この発想はまさしくケタだわ。
omiだったらこういう考えはできない。
でもそのひとことで受付にすぐにタクシーを呼んでほしいと言ったウチ。
連携はいいな。

ウチが受付でタクシーを交渉している時、ケタは何をしていたかというと、このコンサートに来ている人を頭からつま先までひとりづつじろじろと観察していた。
それも遠慮なく観察していた。
はっきりいって、こんなことできるのはomiの友達の中ではケタだけだ。

たんぼの真ん中で周りには何もないホールにはタクシーももちろんない。
タクシーが来たのが、開演の30分前。
1キロ先のコンビニにケタとウチが代表でお弁当を買いにいった。
コンサートに来たというよりサバイバルゲームに来たような雰囲気だ。
この1キロ先のコンビニにいって帰ってくるのにこのタクシー代が2200円だったらしい。
はじめは冗談で言ってるのかと思ったけど、タクシーを呼んだからそのような値段になったらしい。
だったら、やっぱ駅の近くでなにか食べてタクシーで来るというのが正解だったのかも。
まあ、いろいろあって楽しいのは楽しいけど。

で、ケタとウチが戻ってきたところで
開演20分前
このグループの特徴は、よく食べるということと食べるのがはやいということなんだ。
こういうところでそれが活かされるとは思ってもみなかった。
こんなにせっぱつまっても会場で、出演前のコウコに会って握手なんかした。

まあコンサートのことをいろいろ書くと申し訳ないから(申し訳ないようなことしか書けないということでもある)そこは省く。

で、コンサートの後の食事会は、なんと全員でパスをした。
どうせ、食事会にでてもコウコとは話せないだろうという理由をつけたが、ここで食べてもおいしくないんじゃないかっていうのが大きな原因だったような気がしないわけじゃない。

帰りも行動力のあるウチがタクシーをまた一台呼んだ。
で、外をふと見ると、送迎バスがとまっている。
運転手に聞くとすぐに出発だという。
タクシー一台で間に合うはずはないということを考えていたのか考えていなかったのかわからないけど、omiとともちゃんはこちらのバス組みになった。

バスには他のお客さんも乗り合わせていた。
でも、それを省みないで話す、omi達。
でもケタがそこにいないのは正解だったかも。
きっとコンサートのことをかなり言うことになったと思いますもん。

駅で再び5人は合流した。
ともちゃんの携帯がまた鳴った。
駅の2階から手を振っているウチ。
携帯は私たちのためにあるって感じだな。

「食事もしなかったんだからさあ、電車の中でビール飲もう」
とウチがいう。
なぜか誰も反対しない。
これが東海道線とかなんとかだったら駅弁かって、ビール買ってってわかるけど、この駅は郊外とはいえ、通勤範囲内なんだわ。
なのに、おばさん達はビールとおつまみを駅にあったスーパーで買って電車に乗り込んだ。
電車に乗ってわかったのは、この電車は普通の電車でボックス席ではなかった。
横一列でおつまみをまわしあう一行。
できれば仲間になりたくないぜ!!

で、帰りの会話。
「omiのところははぜオットにそんなに冷たくできるのか?」
最近ウチはこれを言い続けている。
「だってさあ、ウチのオットってヨーロッパに連れて行ってくれないじゃない」
でもともちゃんが言った。
「でも、ひとりで韓国とか行くよね」
なんでかomiは攻められる。
ウチは言った。
「だんなってやさしいじゃない!」
こういう言葉を言うのはomiのまわりではたぶんウチだけだな。
「あんたんとことうちは違うのよ。うちはオットも息子達も私にはやさしくない」
ともちゃんがまた言う。
「それっておくさんに問題あるんじゃない?」
それを横で聞きながらだまってもくもくと食べるクラ。
ケタが言った。
「omiのとこはこれでいいのよ。いろいろいってたら、この人は結婚できなかったんだから。あの人がもらってくれなければ、omiは一生独身よ。あなたは結婚してなかったらあっちこっち今でもふらふらしていたと思う。」
そうかなあ。
omiに対する評価はそうなんかなあと思う。

まあ最後までいいたいことを言ってくれるわ。
とにかくこの日のメインは電車であったことはいうまでもない。
コンサートの行きかえりでこれだけ書けてしまうんだからね。
今度会ったらコウコはたいへんだよ。
みんなになんていわれるやら。。。
ふふふ。。。楽しみ。



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