パッキング

翌朝、目が覚めるとやはりまだ暗かった。ごそごそとパッキングをはじめる。なんと荷物の多いことか。しかも単価はすべて安い。(羽田の税関で2泊3日にしては荷物が多いようですがと言われた時、
「お茶とのりをたくさん買ったんです。」
って答えた。税関員が荷物のひとつのバッグをもったらのりがいっぱいはいっていたのでものすごく軽くて、納得してくれた。)洋服はすべてボストンバッグに入れ替え、スーツケースにはお茶とのり、袋菓子、CD、雑誌がはいる。安いものばかりだけど私は韓国のお茶が大好きだし、のりも大好きなので貴重品ばかりだ。一応簡単にパッキングをすませたころにお日様がのぼってきて明るくなってきた。


左上:コンビニで買ったお菓子

右上:お茶(右上から時計回りで、
とうもろこし茶、梅紅茶、オミジャ茶、
桃茶、しょうが茶、梅茶)

左:星の王子様のパッケージののり


奉恩寺

息子はまだ寝ている。そこでホテルの前にある奉恩寺に一人でいく。ここのお寺は歴史が深く新羅時代に建てられたそうだ。今残っている建物は、建て直したものらしいのだが、それでも立派だった。お寺の入り口のところに象の彫刻がある。日本のお寺ではあまり象は見られないような気がするのだが、韓国のほうがインドに近いということなのだろうか。門にかかれている絵は日本のお寺にもありそうな絵でやはりアジアのお隣の国なのだなと思わせてくれた。寒い中、朝からおまいりに来ている人がいる。寺の奥のほうにはいり本堂近くにいくとちょうちんが飾れており、これが寒い冬の景色をものすごく明るくしてくれていた。このちょうちんは普通のちょうちんなのだが、たくさんかかっていてきれいだった。上を見ると高い木の上のほうに鳥の巣がいくつもあった。あれはなんの鳥の巣なんだろう。そして反対側を見るとホテルがきれいに見えたので、これも写真を撮っておいた。入り口の近くに瓦が積んである。なんとタイ語で表示がされていた。新築中の社殿があったのでそれに使うのだろう。写真を撮って帰ろうとするとこのお寺のお店がもう開いていた。ちょっとよってみる。カウンターのところにちいさな置物が箱に並べてある。たぶんお守りなんだろうと思うがおもしろいので買ってみた。あとお数珠も買った。こんなものを買うのはやはり歳のせいなのかな。



お寺の扉に描かれている絵


左下は新築中の社殿。右下はおみやげものやさん。


お粥やさんへ行く

ホテルに帰ると息子はまた言った。
「お腹すいた」
日本語はそれしかないのか。(といっても韓国語や英語ができるわけじゃない)私は昨日からの食事で朝から食べることはできない。でもお粥だったらいいかな。(結局食べるのだ)ホテルのフロントに行ってきく。
「Do you know the congee shop around here?」
これで通じると思ったのだが、コンジーという単語が通じなくってチャイニーズブレッグファーストとかいったのだがだめだった。韓国語でかゆはチュックかチェックかそういう単語だったのだがそれを忘れてしまったために情報がきけなかったのだ。やはり語学って大切だ。しかたないのでモールにいってみる。9時ごろだったので営業しているお店もまばらだ。ぶらぶら歩いているとおかゆやさんがあった。しかも9時オープンと書いてある。お店にはいると両手で×の印をされてまだやっていないと知らされる。
息子が
「×されちゃったよ」
と残念そうに言った。また歩いていくが早朝からやっているお店はそうそうはない。マックにはいるのは息子がいやがった。こういうところはものすごく贅沢だなと思う。

またしばらく歩くと最初の日に来たCDショップがあった。あとでここに来る予定だ。もう一度場所を確かめておく。そろそろさっきのお粥やさんがあいているかもしれないとまた戻ることにする。途中で初めてみたのだが(これだけ地下モールを歩いていたのに初めてみた)本屋があった。しかもあいている。なんで本屋がこんなに早い時間にあくのだろう。息子は漫画のところにいった。あったあった。モンスター。日本でこの本をおいておいたら絶対に韓国版だってわからないだろう。表紙も中も字をのぞけばまったく一緒だ。3000ウオンのこのモンスター17巻を買った。(これは日本に帰ってきて、食堂テーブルになにげなく置かれていた。それをまたなにげなく見つけた長男が中をあけて絶句したーちょっとおかしかった)

先ほどのお粥やさんに戻る。よかったオープンしていた。息子はえびのお粥、私は鶏肉のお粥をたのんだ。ここチェドンのお粥はおいしかった。朝はやっぱりお粥がいいわ。



お粥店チェドン。 鶏肉のお粥

エバンレコード店

この日は12時までにチェックアウトをすませホテルのロビーに行ってなければならない。お粥を食べるとすぐにCDショップに戻った。ここでソンシギョン、キムヒョンジュンのCDを買う。ソンシギョンのCDはVCDもついていて1万3千ウオンだった。あとノラジョーンズのベストアルバムが1万5千ウオン、息子も何か買ったのだが、覚えている暇がなかった。途中、ビートのきいた曲がかかった。店員さんに
「イノレヌガ?」(この歌、誰が)
と尋ねた。唄っているのか?という単語はでてこなかったが店員さんはすぐに
「ピ」
と答えてくれた。やはりピはいいじゃない。ノラジョーンズの広告がここのお店にはいったところにあったのだが、店員さんに聞くと写真はとらないでといわれたのであきらめた。ここで日本人観光客がこのあたりのホテルにかなり滞在していることがわかる。このCDショップに朝から私のように来ている客が何組かいた。だからブロマイドもなくなるんだわ。(かなり自分勝手な見解ですが)


ホテルの部屋から見えた学校のテニスの早朝練習
照明設備が完備されている。


帰路に向かう

CDを買うと急いで部屋に戻る。再びパッキングをする。パッキングをしながらおみやげ物の写真も撮った。膨れ上がった荷物に息子が驚く。
「これって持って帰れるの?」
自慢じゃないけど香港を往復していたときなんか最後はダンボールに荷物をつめて飛行機に乗っていたんだから、この程度だったらなんとでもなるわよ。11時半ごろ下に下りていく。キャッシャーが混んでいると時間がかかると思ったからだ。しかしキャッシャーはすいていた。朝食代を払って会計をすませると少し時間ができた。近くにいたボーイさんに
「ちょっとの時間この荷物キープしておいてもらえます?」
と英語でたずねると、
「えっ」
という顔になった。
「どこに行くんですか」
という。
「コンビニです」
(ここは全部英語)
おにいさんはこの厄介な親子のために荷物をキープしてくれた。コンビニで息子は水を買った。飛行機に乗るまでだってのどは渇くのだ。あとマンゴジュースの小さなビンも買った。
上に行くとすぐにガイドさんがきてくれた。またミニバスに乗り込む。

おとといと同じメンバーだ。話を聞くとどちらのグループも買い物が旅行のメインだったようだ。紙袋が違う!!私のロッテマートのビニール袋に対して、高級な感じの紙袋をみんな持っている。そうかこういう旅行もあるんだなと思った。ちょっと年配の女性の組みの方は免税店で5万円の買い物をするとヨン様のポスターが一枚もらえるので10万円の買い物をしたといっていた。こういう方が日韓の流通経済をささえているのかもしれない。私ができないものを期待してしまった。私も買ったものをデジカメに収めたのでみんなに見せた。ヨンさまの靴下はうけていた。(と思う)

上:ホテルを回る空港からのリムジンバス

右:COEXのパーキングエリアの案内板


金浦空港

金浦空港には順調に着いた。ガイドさんが搭乗の手続きをしてくれる。私は窓際の席をオーダーしたがあいにく真ん中の席しかあいてなかった。この真ん中は5列のど真ん中で結構きついものがある。2時間だからいいもののトイレには行けない。しかも私達の前からは上の収納の棚がなかった。息子に棚をキープさせる。棚に荷物をいれるのといれないのとではずいぶん違う。

ガイドさんと別れてすぐに出国ゲートに向かう。出国審査の前のハイジャック防止の検査はこの金浦空港ではなんと全員、靴をぬがされる。息子は最初からベルトをとっていたがさらにボディーチェックをされた。私もサンダルでボディーチェックをされた。しかし飲み物のチェックはなかった。空港によってチェックの仕方が違うのが興味深い。

金浦空港は羽田ほどではないがやはりインチョンに比べて規模が小さい。よって免税店も狭い。しかしキプリングのバッグがあった。これで好きなサイズと色があったら買ったかもしれないが、幸運にもなかった。販売のおねえさんは紫の大きめのバッグを薦めてくれたが、
「セッカリシロヨ」
と言った。これは色がいやですというフレーズで韓国語講座にでてきたのだ。まさかここで使えるとは思わなかった。ただチョコレートはお金があまっていたので買った。それから前の日に買った母のプレゼントをピックアップする。

息子は言った。
「腹が減った」
そうだまた飛行機が遅れでもしたら大変だ。小さなスナックでうどんとキンパブがあるのをみつける。両方とも注文した。ここのキンパブは街中で食べるキンパブよりは味は落ちるが日本の海苔巻きの味とは違うのでお腹がすいたら食べるのにいいかもしれない。搭乗の時間になり飛行機に乗り込む。

息子とまた海外旅行をするなんて考えてもみなかったが、なかなか楽しかった。(息子のほうはどう思っているかわからないが)2人で歩いていると視点が違うところにあるので、ダブルでものが見られる。息子が韓国をどのように感じたかは、はっきりとはわからなかったが、これまでの韓国の印象とは絶対に違うものをもてたと思う。これでなぜ母がこんなに韓国ファンになっているのかわかってもらえればいいのだが。




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