ホテルの朝食

ソウルの町は日の出が東京よりおそい。その分夕方が明るいので助かるけど、朝7時というとまだ真っ暗だ。昨夜はやく寝たので朝はちゃんと起きることができた。このホテルで残念なのは新聞がこないことだ。(はっきり言っておくけど読めるわけではありません)朝、新聞を見るとなにかほっとするのだ。昨日買っておいたマンゴジュースを飲む。朝からこんなものを飲んでいるから。。――元気なのだ!!息子は東京にいても何時間でも寝られるのでなかなか目を覚まさない。しかし8時近くになってやはり起こした。たった3日のツアーなので貴重な中日だ。息子はしぶしぶ起きるとさっそく言った。
「お腹すいた」
そこでホテルのコーヒーショップに行って朝ごはんを食べる。1階のコーヒーショップの食事ははっきり言って高い。でもホテルの朝のパンというのはおいしい。息子は卵料理をつけてもらった。この時卵をフライドエッグといったのだが、フライドエッグはなかったようで
「オムライスかオムレツ」
と聞かれていたようだ。息子はなんでこんな簡単なことが聞き取れないんだと言ってくれたが、なんでオムライスになるのかが理解できなかったために文章が聞き取れなかった。聞き取れないためにオムレツを頼んでしまったのだが、息子はいつも英語ができないとさんざん私に言われているために
「本当はオムライスが食べたかったんだけど」
と何回も言ってくれた。じゃあ自分でオーダーしてよ。パンは息子はクロワッサン私はペストリーにした。ジュースは私がアップル、息子はパイナップルだ。さすがに朝からがつがつと食べることはできず、メインのものを食べるとすぐに部屋に戻った。




ホテルのコーヒーショップ

地下鉄、三成の駅へ

今日はどこから行こうか。行く場所は龍山、ミョンドン、カンビョンと決まっている。昨日、飛行機が遅れたので延世大学のある新村がぬけている。(帰ってきてから思ったがカンビョンの変わりに新村に行けばよかった)そしてその順序を考えなければならない。ミョンドンのめがねやは9時ごろから開いているようだ。じゃあミョンドンから行こう。時間はもう8時半をすぎていた。朝なので、外の道を通って地下鉄の駅をめざす。この日は私はものすごい暑いダウンを着た。まるで熊が歩いているようだ。日本人には寒くてもソウルの人にとってはまだこの寒さはそれほどでもないのだろう。道を行く人でこれだけ大掛かりな防寒服を着ている人はいない。ホテルの前の奉恩寺は「僕の彼女紹介します」のロケ地だ。(と本にでていたんだけど、実際に映画を見てみると、思い出の写真がここでとられたというだけのことだった。)ここは明日の朝行ってみることにする。永東大路(ヨンドンデロ)側の道にでるところにアセムタワーというビルがある。ここも「僕の彼女紹介します」にでてくるビルだ。(と本にでていたんだけど、ここのビルの屋上を使ったみたいで、下から見る限りここがそうだとはわからない。)



左上:ヨンドンデロにあったビル

右上:COEX韓国総合展示場前にあった電話ボックス
右側の電話はハンディーキャップパーソンのものと思われる

左:中:アセム・タワー


このあたりはコーエックスの展示場や韓国電力公社などの会社があり、大きなビルが並んでいる。空間が広々ととられており、道幅が広くて気持ちがいい。ブルーの市内を走るバスが停留所に停まり、通勤客が降りてきた。日本の出勤の風景とかわらない。写真の中にハングル文字がはいらなければきっと日本の写真だと思われるだろう。地下をぐるぐると回るより、やはり地上をまっすぐ行ったほうがはやい。昨日イベントをやっていた広場にでてきた。息子は上のビルを見ながら
「そうそうここだった」
と確認していた。ジャーマンスクールクリスマスイベントと英語で書いてある。ドイツ人学校のイベントがあったのかもしれない。


左上:朝の通勤風景

左下:COEXの案内

上:右:
ドイツ人学校の
クリスマスイベント



ここから地下にはいる。地下鉄からは人が波のように押し寄せてでてくる。それに逆らって歩くことはかなりたいへんだ。キョトンカード(スイカカードと同じようなカード)を購入したい。チョンノではキオスクでキョトンカードを買うことができた。地下鉄の切符売り場のとなりの売店に行き、
「キョトンカードイッソヨ?」(交通カードありますか)
と聞くと、おじさんが切符売り場の方をさした。切符売り場でキョトンカードを買うことができるのか、それとも私が言っていることが理解されなかったのか。切符売り場のおじさんに同じようにキョトンカードありますか?と聞くと私が去年購入したカードとはデザインの違うカードを渡してくれた。12000ウオン。そして私のカードもチャージしてもらうことにした。
「オルマエヨ?」
と尋ねるとおじさんは息子が持っているカードをさしながら何かいう。息子は言った。
「このカードと同じ値段なんじゃない?」
どうしてまったく韓国語ができない息子がこういうことを理解できるのか。息子はいつもこれで試験を乗り切ってきているのか。とりあえず、1枚のキョトンカードの購入とカードのチャージを無事することができた。このごろスイカカードを東京でやっと使いだした私は今回、このキョトンカードを使うのにものすごく手間取った。スイカはピッと音がするのだが、キョトンカードはその音がしないのだ。この微妙な違いが私の感覚を狂わせ、息子に機械音痴だとまで言わさせた。三成(サムソン)の駅のラッシュアワーはものすごい。息子に先頭になれといって歩かせたがホームからあがってくる人の数に圧倒されてしばし身動きがとれなかった。地元の人もこの時は階段を降りることができなかったので、そのすごさがわかる。


地下道で見つけた映画のポスター

龍山へ

サムソンの駅は地下鉄2号線だ。ミョンドンまではサダンで一回乗り換えることになる。地下鉄の中の混み方は階段から考えるとそれほどでもなかった。外はものすごく寒いが中は暖かくて快適だ。駅の番号をみながら乗り過ごさないように気をつける。たとえば日本の地下鉄で外国人が母国語で話しているとちょっと違和感を持つことがあるのだが、ソウルの地下鉄で息子と日本語で話していてもまわりの人の反応がなかった。それだけソウルの人が外国人を受け入れているのだと感じた。サダンで乗り換えて4号線でソウル駅方面に向かう。ここで時間を見るとそろそろ10時近くになっていた。そこで急遽、予定を変更して龍山に先に行くことにする。こういう時、キョトンカードは便利だ。

サダン駅で乗り換えの時、私は必死にハングルで行き先を読んでいたが、息子は英語の表記を読んでいた。そうかそうすればよかったのだ。4号線を二村(イチョン)で乗り換える。ここの駅は4号線は地下鉄だったが龍山までは国鉄区間になる。上にあがり、国鉄のホームにでる。外は寒い。しかもこの路線は地下鉄のように頻繁には来ないようだ。人もまばらだだ。ホームの柵についていた外にでる扉があいていた。
息子が言った。
「すごいなあ。ここから電車にのれるや」
そんなことはありませんでした。係りの人が何か用事があってあけていたようで、すぐその扉をしめた。線路の掃除をしている人が遠くに見える。反対側の路線の鉄道がとおる。汽車という感じの車両だ。この国鉄の駅は外の通りに大きな並木が並んでおり、ソウル市内と思えない静かなところで気に入った。ただとにかく寒かった。電車はすいていて座ることができた。ここの中もまた暖かい。暖房に対しては日本より寒いためかソウルは完璧だ。龍山(ヨンサン)はここからひとつめだ。


左上:駅からみた電子街
右上:電子街の町並み
左:電子街の中のビル



龍山

ヨンサンの駅について驚いたのはここがものすごく大きな駅であったことだ。この電車もヨンサン行きだった。車庫もあるようだ。改札をでて駅からでると品川駅や川崎駅に似たような大きな空間があった。息子はさいたま新都心の駅に似ているといっていた。ここの近くの情報はマッシーさんが新しくロッテマートができたとホームページにかかれていたことと、やはりマッシーさんから龍山は安いと教えていただいたこと以外まったく情報がない。駅から電子街の方の出口に向かう。渡り廊下のような道がつながっており、電子街のビルにはいれるようになっている。 ちょうど10時になり、お店もあきはじめている。このビルの中にいろいろなお店があるのかそれとも外にあるのかそれもわからない。しかしお店がやっとあきはじめたところなので、外を歩いてみることにした。息子に信号だけは気をつけるように言う。日本と違い韓国は右側通行だ。あと車社会でもあるので、交通事故も多いのだ。(ドラマの中で交通事故のシーンがよくでてくるけど、あれは実際にもそうなのだとどこかで聞いたことがある)外を歩いていると小さなお店の前にDVDがいっぱい並べられている。たちどまってみているとおにいさんが来た。
「イゴンオルマエヨ」(これはいくらですか)
全部1万ウオンだという。DVDが1000円だったら安い。ただ日本語の字幕ははいってない。リュージョンはいくつかと聞く。
「リュージョンヨ?」
「ネー。ナンバー」
「アーコード」
なるほど。リュウジョンってコードっていうのだ。そしてコードはオールだという。本当なのかなと疑いたくなってしまった。息子は日本の最新作の映画「キャシャーン」をみつけた。ここですごかったのは息子は自分の聞きたいことをすぐに聞いたのだ。
「スピーキング、ジャパニーズ?」
と言って口の前に手を持っていきしゃべるまねをした。英語の成績が悪くてもこういうことはできるんだと母はちょっと感動した。おにいさんは
「ネー、ジャパニーズ」
と言った。本当かなと思う。おにいさんはさらに日本語でいった。
「スキャンダルもあります」
しかしこれ以上の日本語は知らないようだった。ペヨンジュンが日本ですごい人気だというのをこのお兄さんも知っている。しかもここでそういう言葉が聴けるというのはこのあたりにもかなり日本人がきているということなんだ。

さらに付近を歩く。秋葉原の小道をはいるとあるような機械の小さな部品やさんやコードばかりを扱っているお店が並ぶ。ここじゃないなとビルのほうにひきかえす。ひきかえしている途中に今度はVCDが売られているお店をみつけた。ここにもソンスンホンとキムハヌルが出演した氷雨、ゴンサンウが出演しているシンプスオップなどがある。3本で1万ウオンだ。シンプスオップはほしかったので買ったがVCDは2本目が映らないことを帰国してから知る。

最初のメインのビルにはいるとお店が大方あいていた。その中の一件で息子がミュージックビデオをみつける。このDVDも1万ウオン。どうやらDVDは1万ウオンが相場らしい。ここはリュージョンがいろいろなものがあった。このようにDVDを見るとき、私はだいたい題名しか見ないのだが、息子はどんな曲がはいっているかを見ていた。はいっている曲が少ないなどとチェックのしかたがシビアだ。

また渡り廊下をわたって大きな駅ビルに戻る。ここで駅ビルを見ることにするが、なんとここはものすごく大きなショッピングモールになっていた。今回は見なかったが、もしかして町の中を歩かなくってもここですべて見られたのかもしれない。このSPACE9は2004年の10月にオープンしたと広告がでていた。とりあえず受け付けのお姉さんに案内図をもらおうと思ったら日本語のパンフレットをだしてくれた。やはり日本人も多くきているのだ。モールではデジタルスペースが3Fから9Fまで電気製品を扱っている。9Fはデジタルパークになっている。ファッションスペースが1Fから7Fまで、そのほかCGVヨンサン11という映画館が11はいっているスペース、Eマート、レストランスペースなどがあり、ものすごく大きなショッピングモールだ。ここを見なかったのは今となっては残念だ。


町で見つけたポスター

左は「踊る大捜査線」
右はたぶんピだと思う。



明洞(ミョンドン)へ

龍山からミョンドンに向かう。2つ目のソウル駅で乗り換えて、ふたたび4号線で2駅目。ソウル駅ではロッテマートの大きな看板があり、時間があればよりたいなあと思った。乗り換えたあたりからミョンドンの最初の目的地が決まった。ロッテホテルのトイレだ。ミョンドンに行ったらホテルに行くというと息子はなぜという顔をしていた。しかしこれは大問題だ。日本でだって駅のトイレにははいりたくない。ミョンドンのロッテホテルと呪文のように繰り返す。ミョンドンにつくとまず地上にでる。息子は寒いので帽子がほしいといっていた。地下から出たところにちょうど帽子を売っているお店があった。息子は黒の帽子をえらんだ。ここのおばさんは日本語ができる。
「寒いですか」
と聞かれたので
「とても寒いです」
と答える。でもおばさんは言った。
「でもソウルに住んでいると、このように寒いと気持ちがいいんです」
なるほど、それはちょっとわかるような気がする。日本だって、昔はこういう寒い日が何日もあった。でもそういう日って何かぴりっとしたものがあった。なにかいいことを聞いたなと思った。ここでロッテホテルはどちらか聞く。まさかおばさんもロッテホテルのトイレとは思っていなかっただろう。

大きなとおりを歩いていると右手の奥のほうにミョンドンの繁華街がちらっと見えた。
息子はそれをちゃんとキャッチした。
「すごいな。原宿みたいだ」
「あとで行くから、今はホテルよ」
ロッテデパートが見えてくる。ロッテデパートの裏側が確かロッテホテルなはずだ。ここから地下にはいる。地下街を歩いていくとロッテデパートの入り口が目にはいった。そこの警備員のおじさんにロッテホテルはどちらか聞くとデパートの中をさす。まあここはデパートからいけるのだと思い、中にはいる。ロッテデパートの地下にははじめてくる。なかなかきれいだ。しかもなんとトイレがあった。ここにはいってみるか。これが大正解。ここのトイレきれいです。

息子はお腹がすいたという。時計も見ると12時前になっている。ちょうど目の前にデパ地下の食堂街がひろがっている。息子は言った。
「本当は焼肉がいいけど何でもいい」
夜はまた焼肉と覚悟していたが、昼間から焼肉は食べられないでしょ。ここでいいならここで手をうとう。石焼ビビンバがあったのでそれにする。まずレジでお金をはらってそれをカウンターで見せる。するとしばらく待っていると掲示板に渡された番号が掲示されるので料理を取りに行くというシステムになっている。息子がそれを難なくわかったのに、私は理解するのに少々時間がかかった。私達の番号が表示され息子がカウンターにとりにいく。お盆に2つの石焼ビビンバをもってきた。
「これ超重たいわ」
息子がコメントした。専門店に比べると味はおちるけど、ここの食堂は手軽ではある。水もセルフサービス。あと食器をさげるのもセルフサービスだ。息子はこのビビンバの量が少なかったようだ。若い人は専門店でしっかり食べた方がいいのかもしれない。私達が食べていると12時をまわり突然混みだした。



左:ミョンドンの街の中でみつけたウオンビンの看板
右:地下街で見つけたボアの看板


そこで食べるとすぐにミョンドンの地下街に向かう。めがねを作るのだ。今回は息子と私の通常のめがねとサングラス。この3つがほしい。ミョンドンの地下街にはめがねやがいっぱいある。どこの品揃えも同じような感じだ。その中の一軒のグリースめがねにはいる。息子は形状記憶型の黒縁めがねがほしいらしい。枠がぐにゃっと曲がっても平気というものである。私は一般的なレンズの小さめのめがねとサングラス。お店の人は日本語がとてもじょうずだ。めがねを選んでいる時に私にあいそうなものをちゃんと選んでくれた。ひとつは下側の縁のないもの。自分ではしっかり縁があったほうがいいと思ったのだが、息子はこの方がいいという。そういうものかなと思い、その縁を選んだ。サングラスはもっとも安い10000ウオンの茶色の縁を選び、レンズの色を選ぶ。あまり濃い色にしないほうがいいですよというのがお店の人のアドバイス。できあがってみるとそのアドバイスにしたがって正解だったとわかる。息子は検眼もしてもらった。度が3段階すすんでいるという。しかしそれだけ急にあげるのはよくないので2段階あげたところでレンズを作ってもらう。だからゲームのしすぎだって言っているだろうが!!
「ここのお店ってクーポンききますよね」
と私がファイルをだす。
「はい、大丈夫です」
しかし私がもっているクーポンは他のお店のものばかり。お店の人は言った。
「はいわかりました。大丈夫です」
こんなに世話をして高いなんていわれたら儲けも何もない。3つで1万3千ウオンではいかがですか?うん高くないわ。サングラスもはいっているし。でも言った。
「1マン1千ウオンではだめですか?」
お店の人はとてもとてもという顔をした。
「じゃあレンズをいいもの使ってください」
そこで一応交渉成立。お金を払って、
「4時までにはできてます」
というのを2時までにしてもらって、外にでる。ミョンドンの町をみながら大聖堂に向かうのだ。ミョンドンの繁華街で息子は運動靴を見たが気に入ったものはなかった。




ミョンドンの大聖堂

ミョンドンの大聖堂は繁華街の真ん中の小高い丘にある。そこの一角が教会の敷地なのか、レンガの建物になっている。ここはドラマの「ロマンス」にでてきた。他のドラマでもよく使われるようだ。教会の前の坂をのぼると左手にクリスマス前のためだと思うがイエス様の誕生の飾りが作られていた。それがものすごく素敵だった。教会の中にはテープがはってありはいれない。ここまできて中にはいれないのは残念だ。と、思っていると横の小さなドアから人がでてきた。そこをあけてみると、中は暗くなっており、お祈りをしている人が何人もいた。お祈りの時間だったのだ。だからはいれなかったのだ。中のステンドグラスはすばらしく、ひんやりとした教会独特の空気の中で何の物音もしない空間があった。息子も私も何も音をたてずにそのまま外にでてきた。

教会の裏手に行く。ここにはマリア様の像がある。ろうそくに火がともされ、花が添えられていた。マリア様の像の裏には学校がある。ちょうどスクールバスがとまっており、下校の最中だった。この教会の付属の学校なのだろうか。さらに後ろをふりかえって教会を見ると工事中の網がはってあり、それが何か絵のようだと息子は言っていた。

ミョンドンからこの丘をのぼってくると教会の右手に建物がある。そこが教会のお店になっている。十字架のペンダントや聖書にはさむカードなどが売られている。このお店もクリスマス前のためか混んでいた。ここで十字架のペンダントを買う。


上:クリスマスデコレーション

右:教会の裏にあるマリア様の像
ここでたくさんのドラマのロケが
行われている。

左:教会の裏が工事中だった。
網がかかっており絵のようだった。



教保文庫

2時までにはまだちょっと時間が残っていたので、この教会の前からタクシーで教保文庫に行く。
「キョモムンコカジュセヨ」(教保文庫に行ってください)
と言って一度で通じたらすごい。地図をだしてここに言ってくださいと言った。乗る前から乗る位置が悪いので少々遠回りになるなと思っていたが、タクシーはチョンノの方を通ってくれた。今回はチョンノに来ないので、息子にタクシーの中からチョンノタワーやチョンノの町のことをはなす。
「このあたりは夜になると屋台がいっぱいでるんだ」
なにげなく聞いている息子。そうこうしているうちに教保文庫についた。

タクシーをおりると、目の前に李舜臣将軍の像がある。写真を撮ろうとしたら、息子が
「スゲー」
と言った。何事かと思ってファインダーから目をはなすと
「ほらほら、しろばいがあんなにはしっている」
この時点でomi親子はまだ目の前の事実に気づいていない。
「本当だ。と今度はしろばいの写真を撮る」
すると息子は
「これだよ」
と言った。

将軍の像の前にバスがたぶん故障ではなく停まっている。なにか下の方の部分は黒くなっている。そして近くにはパトカーや警察官がたくさんいた。目の前のこの現実をよくわからないで将軍の写真を撮ろうとした自分がぼけてきたのじゃないかとちょっと心配になる。このあたりは光化門から景福宮を経て大統領官邸につながる。写真をとったらとがめられるかもしれないと思いつつ、でもとってみた。交通規制はしていなかったので、ひょっとすると単なる事故かもしれないが、目の前に整列している警官を見るとさすがに何事かと思う。じっと見ている母に向かって、もう行こうよと息子は言う。そうだな。ここでずっと見ていても本屋にはいけない。最後にそこで仕事をしていたバイク便のおにいさんの写真を撮らせてもらって地下に行く。


左:李舜臣将軍の像(バスの事故のために手前に警官が並んでいる。) 右:バイク便

教保文庫はあいかわらずものすごい人だ。息子はここのCDのコーナーを見たいのだ。CDコーナーを聞き、先に息子に行かす。もしはぐれたらここのインフォメーションセンターで会おうというのが息子に聞こえたかどうか。私は映画の雑誌のところにいく。韓国の映画やドラマがこれだけ人気なのに、意外に雑誌は少ない。メインの場所に日本の映画雑誌がおいてあったりする。絶対に日本のほうが雑誌の数が多い。しかし見つけた。イビョンホンが表紙にのっている雑誌とあと2冊映画の雑誌を買う。おもしろかったのはこれを買うときにレジでひとつひとつにおまけをつけてくれることだ。これだけ混んでいるのに雑誌をたしかめて棚にある口紅や男性用のパックや小冊子がつく。それを紙袋に入れてもらった。紙袋に入れますかときかれたので、はいと言った。そしたら紙袋代がとられていた。そうかここは韓国だった。それからカードコーナーに行く。素敵なクリスマスカードが並んでいる。韓国のデザインのクリスマスカードを買う。去年の秋に買ったときもそうだったが韓国のカードはデザインが素敵だ。このカードは手元においておくだろうな。その後バーゲンセール場並みの混雑のなか息子がいるCDコーナーに行く。息子は洋楽のコーナーで自分の好きなCDを探しまくっている。私はアンジェウクのCDやMVを探したがなんとここでも一枚もなかった。そのかわりすごいものを見つけた。日本語で書かれているドラマのサウンドトラック版のコーナー。去年きた時は冬のソナタと秋の童話ぐらいしかなかったのに今年はどんと品揃えが豊富だ。去年あんなに探した「美しき日々」も当たり前のようにおいてある。こんなになってしまうとちょっとありがたみが減るかな。息子は目的のCDはあったのだが値段が高いという。結局ここでは本だけしか買わなかった。


アンジェウクの手形

韓国交通公社

再び外に出る。ここから韓国交通公社に行き、ミョンドンに戻る予定だ。息子がミョンドンまで歩くのかと言ったが、実は本当はこの距離はタクシーに乗るような距離ではない。韓国交通公社までは写真をとりながらでも10分ほどでついた。
「ここではインターネットがただでできるんだ」
と息子に言う。韓国からメールをだせたらちょっとかっこいいなんてミーハーなことを考えている。去年はここに来たのだが、なんとdionにインターネット経由のサービスがまだなかったのでメールをだせなかった。しかもこの場でそれを知った。今年はホットメールのアドレスももっているし準備万端だ。

韓国交通公社の立派なビルの地下に行く。エレベーターをでるとなにか感じが違う。
「えっ」
と思った。そこにはアンジェウクやゴンサンウ、ソンスンホンの等身大の写真や手形などが飾られている。しかも情報通の日本人のファンがすでに来ていた。あれあれネットコーナーはどこだ。ちゃんとパソコンがそろえられている部屋があったのだが。。。と思いながらアンジェウクファンの私は息子に2ショット写真を撮らせた。本当はアンジェウクってもっといい顔していると思うのだが、この写真はあまりよくない。このコーナーの中にはとにかくスターの写真がいっぱいだ。なにか韓国中すごいことになっているんだなあとまた感じだ。

おみやげ物がここでは市内よりちょっと安く買えたはずだったが、おみやげ物のコーナーも冬ソナグッズになっている。結局、私も冬ソナの便箋を買ってしまった。工事中の場所もあり、まだまだこのツーリストインフォメーションは変わっていくのだろうか。パソコンはすみの方に5台ほど設置されていたが、なにかゆっくりできそうにもないので使うのをやめた。ここの韓国交通公社のトイレもきれいです。


左上:ゴンサンウ
右上:ソンスンフン
左:イビョンホン
下:JSA

すべて韓国交通公社にて



再びミョンドンへ

ここからミョンドンまではすぐだ。しかし外は寒く朝から歩きまわっているのでかなり疲れている。ウルチロイックの地下鉄の駅から地下にはいる。これが大間違いだった。どこを探してもミョンドンの地下道につながる道がない。最後にまた外にでた。そこはプラザホテルの前だった。そして市庁舎の前に大きなスケートリンクを発見した。息子は疲れていてちょっと不機嫌だ。それを無視してスケートリンクの写真を撮ろうとしたら、市庁舎の前で朝鮮王朝の民族衣装を着た人たちが衛兵の交代式のような儀式をしていた。そちらに走っていく。これはこの日だけなのか、いつもやっているのかわからない。とにかく衣装がきれいなので夢中で写真を撮った。息子はまわりを省みないで写真を撮り続ける母に半分嫌気がさしている。しかしそんなことを考えている場合ではない。英語の説明をしていたが、朝鮮ダイナスティーという単語しか聞き取れなかった。儀式は続いていたが、めがねもとりにいかなければならない。途中でここを去ることにする。しかしその前にちゃんと作られている途中のスケートリンクの写真も撮った。貸し靴や貸しロッカーなども外に設置してあってオープンしたら市民で賑わうのだろうなと思った。ここでスケートができたらちょっとかっこいい。(ちなみに私はまったくすべれません。息子もかっこよくはすべれない)



左上:市庁舎
市庁舎前でおこなわれていた朝鮮王朝のパレード



市庁舎前のスケートリンク
左はスケート靴を貸してくれるテント

ミョンドンの地下はウルチロイックの地下とは別なのだという判断でロッテデパートの方へ進む。このあたりでミョンドンの地下への入り口にかなりまよった。やっと午前中、地下にはいった道を見つけそこから地下にはいる。グリースめがねに行くとめがねはできあがっていた。2時までに作ってといったのにすでに3時になっていた。わがままな客で申し訳ないです。サングラスは私が思っていたよりもずっとよくできあがっていた。

この地下街のCDショップで星に願いをのサウンドトラックを見つけたので買った。ここも店頭のVCDは3枚一万ウオンだった。

ここからまた地上にでてウルチロイックから2号線でカンビョンに向かう予定だ。カンビョンのテクノマートに行くのだ。なにか日本でいうと秋葉原、新宿のヨドバシ、新橋のビッグカメラめぐりみたいな旅行だ。ミョンドンの地下街から再び外にでる階段のところで靴下を売っているのを見つけた。この日の目的のひとつに靴下を買うことがあった。あわてて旅行の用意をしたのだが、靴下の一足を分厚いスキーにでも行くときはいていくようなものをいれてきてしまったのだ。息子に
「ちょっとまって」
とストップをかける。よく見ると靴下はグッチとなっている。値段を聞くと1000ウオンだ。なにもブランドはいっていなくていいんだけど。普通にはくんだから、なんて思ってたら息子が
「おかあさんの好きそうな靴下あるぞ」
と言った。どれどれ。なんとそれはヨンさまの顔をデザインした靴下だった。もちろん買った。どれも1000ウオンらしい。次の日ガイドさんに尋ねたらイビョンホンの靴下もあるらしい。イビョンホンの靴下だったら買い占めていたかも。

外にでたところがロッテデパートの前でそこの先にあるウルチロイックの地下鉄の駅にはいっていく。先ほど迷って何回も通ったところだ。息子が言った。
「今日、ここもう3回目だな」
それって私のせいなのかな。


左:ミョンドンで買った靴下のヨン様 右:カンビョンのエスカレータの手すりのヨン様


カンビョン(テクノマート)へ

地下鉄にのると息子が言った。
「肉食べたい」
さっきお昼を食べたのにもうお腹がすいたのか。電気街周り、食べ物ツアーというのが今回の旅行の題名になりそうだ。息子は言った。
「屋台でもいい」
屋台といっても私が知っている屋台はチョンノだ。そんなに簡単にものごとがどんどんすすむと思ってもらっても困る。
「カンビョンについたら食堂に行こう」
しかたないので私も言った。なんでCDよりも先に食堂になるのかなというのが私の気持ちだが、息子はこういわないとこの先ずっとお腹がすいたを連発するだろうから、しかたない。

カンビョンにつく。前回迷った分、今回はスムースにいった。テクノマートにはいるところのエスカレータのてすりを見て驚いた。なんと手すりがヨン様の写真になっている。写真をとりだそうとする私を息子がとめた。
「もういいかげんにしてくれ」
そんなことを聞いている場合ではない。しかしとっさにデジカメをだせなかったので、帰りにこの写真を撮ることにした。

テクノマートは電気製品が集まっているデパートのようなところだ。ここの最上階に日本のデパートのお好み食堂のような食堂がある。息子はとにかくカルビというので、焼き肉やにはいった。時間はまだ5時前だ。昨日も焼肉だし私は少々つらい。カルビを2人前たのんで、息子にほぼ2人前を食べさせた。ここはご飯をたのんだら別勘定だった。私はご飯と野菜を食べた。韓国の料理はいろいろな野菜がついてきて本当においしい。特にここの料理はあまり辛くなくっておいしかった。時間もまだはやいので客はいない。どういう日本人の親子かと思われたかも。最後にオレンジがでてきたとき、息子は言った。
「もう食べられない」
私はそりゃそうでしょといいたかった。ここはひとり2万8千ウオンだった。安くはなかったけど、お肉はおいしかったし(私も一口はちゃんと食べた)いいかなって思った。食事はしたもののかなり疲れている。なんせ一日歩き回っている。

階下のCDショップを探す。去年何軒かあったCDショップがない。なぜないんだろう。結局、疲れてもいたしCDショップをあきらめた。なにしにここまで来たんだろう。1階まで降りてきたところでキプリングに似たバッグをみつける。私はキプリングファンなんだけど結構このブランドは私にしては高い。それに似ているバッグということでじっくり見たのだけど、私が望むものよりちょっと小さめだった。値段は2万ウオン。普通のバッグにしては高め(私の感覚がおかしいのかも)だなと思いやめようとしたら、店員さんがこれはキプリングのコピーです、と言った。じゃあよけい高いじゃないと思ってすぐにやめた。なにもコピーなんかじゃなくっていいのです。安くて、縫製がしっかりしていてデザインと色がよければ。

地下のロッテマートに行く。ここでお茶を買ってホテルに帰ることになった。お茶はさすがにいろいろな種類がそろっていた。もちろんメシル茶、メシルホン茶を買う。それから桃のお茶もあったので買ってみる。オミチャ茶というのをどこかで聞いていた。体にいいそうなのでそのお茶も買う。のりのコーナーに行ってみた。息子はおみやげに小さなのりのパックを買おうかなという。なんとここののりのコーナーに星の王子様がらののりパックがあった。家に帰って食べてみると子供用につくられているのか味が薄めだった。しかしこれは私の中ではヒット商品だ。

次にお菓子のコーナーに行く。普通のお菓子、もちろんロッテのものもハングルでかかれている、を選びいくつも買った。最後にヘバラギチョコがないか店員さんに聞いた。店員さんが
「あれこのあたりにあったのに」
と探していたら近くにいたおばさんが
「ヘバラギだったらここにあるわよ」
と教えてくれた。こういうところが韓国人は親切なんだ。のりを何パックも買ってお茶とお菓子、龍山で買ったCDとまるで行商人のような格好になってしまった。息子はもうタクシーに乗ろうという。しかしこの時間はラッシュアワーの時間だ。それに橋を渡らなければならない。結局、地下鉄で帰ることにした。そしてあのエスカレーターでデジカメをだして写真を撮った。すごい荷物のおばさんがフラッシュをたいて写真を撮っている。まわりの人は何事かと思ったようだ。



テクノマートの食堂で食べたカルビ。右のチゲもついてきた。

ホテルへ戻る

サムソンの駅からホテルまでの道は迷わずに行くことができた。しかしこの大きなモールをこの荷物を持って歩くのは大変だった。ホテルにはいると息子はベッドにどかっと寝てしまった。私はなにかこういう時にがんばってしまう。息子が寝ている間に再び下のモールに行き、免税店で母のお土産を買う。ここの免税店は入り口は狭いが中はかなり広い。ジバンシーの黒のストールを見つけたので、すぐにそれに決めて購入すると空港わたしだという。なるほど、免税店ってそうなっているのか。インチョンと違い金浦なので今回は空港の免税店にあまり品物はないだろうと思ったのだが、それは見事にあたっていた。ここで買っておいてよかった。

ホテルの地下のパンやによる。日本のパンやに似ているが、ホテルショップということで、日本よりも値段が高かった。(しかしおいしかったです。)その後、コンビニによりお菓子とマンゴジュースをまた買う。お菓子は息子にいわせるとほとんど日本の味と同じだということだったが、日本で配ったらポパイの絵の描いてる袋菓子はちょっと面白かったということだ。中に金平糖も入っていたそうである。私の手元にお菓子が残らなかったのでなんともいえない。

部屋に帰ると息子はおきていた。なんとなく元気を取り戻したようだ。私はもうそうはいかない。テレビを見ながらがんばっていたが、寝てしまった。



左:教保文庫で雑誌を買ったらついてきたおまけ。HOMMEと買いてあるのは男性用のパック(息子もいらないと言った)
右:デルモンテのマンゴジュースとサンキストのアップルジュース




トップページに戻る

inserted by FC2 system