ドラマ「秋の童話」の看板



「秋の童話」ロケ地

 雨がやんでいるうちにウンソの家に行きたい。郵便局をでてすぐに青草湖の方へでる。湖は海に通じていて、いかつり漁船が停泊している。湖の横の小さな道を歩いていると見えた見えたケッペだ。しかし「秋の童話」にはでてこなかった大きな立派な赤い橋がどんと前方にかかっている。まだ使われてはいないようだったが、この橋ができた為にこのケッペがもうすぐなくなるという話しである。ケッペの方に歩いているとジュンソがウンソを探した時にでてきた金網の前の道にでた。ああここ知っている。心がはずむ。

ケッペは基本的にはいかだだ。その下に綱がはってありそれを人力で動かして移動させる仕組みのようだ。ケッペに乗ると地元の女の子が乗ってきた。私はケッペの上にある「秋の童話」の看板の写真を撮っていたら、係りのおじさんが私に動かすの手伝えみたいに指示してきた。つめたい棒で縄を引く作業をするのはいい思いでだったんだけど、ウンソは黄色のパラソルをさしてのっていたのになあと思った。(ひょっとしておじさんは若い子だけにやさしいんじゃないでしょうねと思ったりもした)対岸の小さなブースで400ウオンを払う。このケッペもここ2年程でものすごく値上がりしたに違いない。


ケッペ



ケッペにかけられていた看板
 めざすウンソの家はケッペをおりてすぐの所だ。絶対にこの家がわかるようになっている。なぜならばこの家の上にはネオンがついた「秋の童話」の看板がたっているからだ。今はこの家はおみやげものやになっており、この時は台湾の観光客でごったがえしていた。

 「秋の童話」は東アジアでは日本が一番最後に放映されたようで、日本で放送される前にもう香港、台湾ではテレビ放送が終わっていた。(このようにブレークしたドラマをずっと見過ごしていたのは日本の放送局の甘さではないだろうか)

 ウンソの家の中は放送中にソンヘギョやソンスンホン、ウオンビン、ユンソクホ監督などと撮られた写真がいっぱいはられており、いろいろな所から来たファンの落書きもところせましと書かれている。私もその様子を写真に撮った。おみやげものは台湾のファン達はたくさん買っていたが、ブロマイドなど手ごろなものがなかったので、私はずうずうしくも何も買わずにでてきた。


ウンソの家 ウンソの家の中


 家の裏手に行ってみる。近くの家は小さくてここが北朝鮮から来た人たちが住みはじめた村なんだと感じさせてくれた。ドラマの中でテソクがウンソの手をとって逃げるシーンがあるが、その道を見つけた。もっと土手のようなところかと思ったが、片田舎の平凡な道であった。ユンソクホ監督がとるとこれがあのようになるんだと感心した。

 その土手のあたりに大型の観光バスが止まっている。これは先程の台湾の人達がのりつけたバスである。やはり台湾でも「秋の童話」はすごい人気だったんだと改めて思った。

ここから宿まで田舎道をまっすぐ歩いて行く方法もあったが、町の中をとおって帰ろうと思い、再びケッペにのる。切符売り場で
「ハンジャンジュセヨ」
というと、おじさんが
「どこから来た?チャイナ?オーストラリア?」
と言う。チャイナはいいとしてどうしてオーストラリアなんだと不思議だ。
「イルボン」
と答えると流暢な日本語で、
「日本人ですか。じゃあ日本語で話してくれればいいのに」
と言われた。そんなこといったっておじさんが日本語を話せるなんて思っていなかった。売り場の台に「秋の童話」の絵がはいった切符があった。
「これは何ですか?」
というとケッペの切符だと言う。思わず日本語で
「下さい」
と言った。来る時はこんなものなかったじゃない。ほしい人だけにあげるケッペの切符なんだ。

    


アバイ村
テソクがウンソを連れて逃げた道 ウンソの家の裏の海


ウンソの家の対岸
ジュンソがウンソを探した道 イカ釣り漁船


束草市内

 ソクッチョの街の中を歩いているとぺヨンジュンの広告とウオンビンの広告があったのでカメラにおさめておく。お土産物やがあったら絵葉書がほしかったのだが、そのようなものがない。

 湖のまわりを歩くような形でコソクポストミノルへ向うがなかなかそれらしきものは見えてこない。途中で辺りは暗くなってしまった。しかも街はずれにきている。だんだん不安になってくる。(ちなみに韓国はこの時期6時頃に暗くなった)しばらくそのまま歩いていると女の子が2人きたので
「高速バスのターミナルはこっちの方でいいの?」
と尋ねた。女の子は
「こっちでいいけど遠いよ」
と言って、
「道の向こう側からバスにのった方がいいですよ。」
と教えてくれた。ここまできてバスに乗るのも残念だが、疲れてもきたしここでバスに乗ろうかと道を渡る。その時奥の団地の方からタクシーがでてきた。そこで思いきってタクシーに乗った。香港のように自分で扉をあけ、乗り込む。
「コソクポストミノルカジュセヨ。」(高速バスターミナルへ行ってください)
運転手さんはすぐにわかってくれた。ラッキー。

 タクシーに乗ってみるとソクッチョタワーのネオンがきれいだ。失敗した。ウンソの家からソクッチョタワーまでタクシーに乗るんだった。とかなり後悔した。タクシーに乗るとターミナルまでは近かった。料金は1600ウオン。160円だ。この160円でエネルギーを温存したと思えばたいそう安い。トミノルで次ぎの日の朝のソウル行きのバスのチケットを購入する。8時ちょうどのバスがあったのでそれを買った


ペヨンジュン ウオンビン


 宿に戻る前に食事をしようと道ぞいに50メートルぐらい歩くと手ごろな食堂があった。しかもメニューにソルロンタンと書いてある。ここだと思ってはいり、ソルロンタンをたのんだ。このソルロンタンの発音がなかなか通じなかった。

 流行中なぜ通じないのだろうと思う単語がなかなか通じないことが多かった。一番発音で苦労したのはアルムタウンナルドル(美しき日々)だ。まず100パーセント通じなかった。CDがあるか聞くときはテレビドラマとかイビョンホンとか知っている単語を並べてわかってもらった。

 ソルロンタンはスープであるが、ごはんとおかずがついてきた。おかずのもやしは辛くなくて大丈夫だったがキムチもあと2。3のおかずも超辛くて、最後は辛くないソルロンタンを飲む時も辛かった。ヒーヒー言いながら食べたが、全部食べられなくて食堂のおばさんに
「マシッソヨクレドメウオヨ。」(おいしいんだけど辛いです。-と言ったつもり)
と言い訳がましいことを言った。おばさんは笑っていた。これだけのおかずがついていてたしか500円ぐらいだったと思う。

 宿に帰ると朝のおばさんの娘か嫁かと思われる若い人が鍵をくれた。すぐくれたのでひょっとしたらお客さんは私ひとりかも。。。

 部屋のある5階に行く。部屋は床暖房(オンドル)がついているベッドの部屋だ。テレビもソウルの宿と違ってよく見える。欲を言えば浴槽のついたバスルームがほしかった。すこし部屋で荷物の整理をしたり、テレビをみたりしていると体があたたまったのでシャワーを浴びる。寒いかなと思ったが意外にもバスルームいっぱいの湯気であたたかかった。外は寒かったがオンドルの部屋は暖かく半袖のTシャツで大丈夫だ。

 この日はテレビを見まくった。韓国の大きなテレビ局はKBSとMBC ,SBSだ。その局はそれぞれドラマ専用のチャンネルを持っているようだ。またケーブルか衛星放送かよくわからなかったが、その他にも映画の専門のチャンネルや通販専用チャンネル?などもあってテレビには60チャンネルまで備わっていた。

 ドラマではリュウシウオンが2つのドラマに登場してきたが、どちらも「美しき日々」よりもやせていて、特に1つは最近のドラマだったと思うが髪型まで変わっていてかなりかっこよくなっていた。あと同じく「美しき日々」にでていたイユジンが主役のドラマもやっていた。しかしあまりにもチャンネルをばちゃばちゃ変えていたので、ストーリーはまったくわからなかった。

 その他にも教育チャンネルでは日本語講座をやっていておもしろかった。天気予報もやっていたが、どこが曇りでどこが雨かさっぱりわからなかった。ソクッチョとソウルの天気を知りたいのだがやはり韓国語がもう少しわからなければ無理だ。ドラマや映画のチャンネルばかり見てしまったがニュースももう少し見ればよかったと思った。


 翌日は7時過ぎに起きる。日本でもこんなにゆっくり起きられるのは日曜日ぐらいだ。目の前のターミナルからバスに乗れるというのは本当に楽だ。

 7
40分頃部屋をでる。フロントに行くとまただれもいない。やはり40分という数字は正解だったかもしれない。何回か
「アンニョンハセヨ」
と声をかけているとやっと奥から昨日の若い奥さんがでてきた。見事に眠たそうで、というか私の声で起こされたという感じだった。鍵を渡すと眠たそうにわかったといって受け取った。時をとっくに過ぎているのに何か悪かったかなあと思ってしまう程だった。

ターミナルに着くとすぐにバスを探した。バスの切符売り場のおねえさんに聞くとソウル行きのバスはそこに止まっているバスだという。だれも乗っていなかったが、バスにのりこんで座席の上の棚に荷物をいれた。この棚に入れられるように荷物は昨日2つにわけておいたのだ。さっさとのりこんだけど10分前でも乗客はいない。2,3分前になってやっと何人か乗り込みそれで出発した。やはりシーズンオフなのでバスもすいているのだ。

 ソクッチョの街はあいかわらず雨だったが、本当にここまで来てよかったと思った。バスの運転手さんや観光案内のおねえさん、トンイルチョンマンデのバスの運転手さん、みんなに感謝の気持ちで一杯だ。



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