中環(セントラル)フリンジクラブ


ひとりで中環へ

このあと私はひとりでセントラルに向かうのだが、疲れている自分を残して娘が楽しむのを母はがまんできない。

「そんなに買い物をしてどうするの」

とまで言われた。それをかなり無視してとにかくセントラルへ向かう。まずはワンパシフィックプレイスをぶらっと見る。香港レコードというCDやがあるのだが、ここはHMVとおいてあるものが少し違っておもしろかった。韓国のCDもあり、もし興味があったらおすすめの店だ。

中環中心という新しいビルまでトラムに乗る。



香港島を走る二階建てトラム


このトラムもオクトパスが使える。トラムではすぐに2階の席に行く。私はスターフェリーとこのトラムの2階席というのが香港では好きだ。窓が開け放されており、街の空気を味わいながら写真をとれる。

ランドマークをすぎ永安のビルをすぎ、そろそろかなと思うときにミッドレベルに続くエスカレータが見えた。ここだと思っておりる。しかしそのエスカレータはビルの中のエスカレータでめざすエスカレータではなかった。ここで大きく迷う。10分ほど付近をぐるぐるして、最初に乗ったエスカレータが中環中心のエスカレータであることが判明。(あとでわかったのだがミッドレベルに行くエスカレータはクイーンズロードセントラルからでている)そこでこのビルの地下にある香港政府観光局による。旅行に行くとこのような政府の観光局に行くことが多いのだが、ただで地図から小冊子までもらえるのでとても便利だ。ここの支店が午前中にいったスターフェリー乗り場の横のお店だ。

 

中環(セントラル)

左上 : 香港上海銀行
左下 :中国銀行 右上 : プリンスビル
右中 : デ・ボー・ロード・セントラル
右下 : ペダーストリートとデ・ボー・ロードとの交差点


 このビルをでるとミッドレベルへ向かうエスカレータを捜すのやめて坂を上りはじめた。セントラルの上の方に来るのは10年以上ぶりのことだ。坂の途中に市場があってセントラルにこのようなところがあったのかと新しい発見だった。歩いていると捜していたエスカレータにぶつかった。やっと見つけたと思ったが2回ほど乗り継ぐと目的地の紅茶やに着いた。ここの紅茶はガイドブックでみたのだが、ロンドンのハロッズにある紅茶やということだ。棚につんである紅茶をみて

「いくらですか」

と尋ねると、お店の若いおねえさんが

「ここでは飲むだけなんです。飲んでいきませんか」

と笑顔で答えてくれた。え!と思ったがこの若いおねえさんのかんじのいい笑顔は私に勝った。ガイドブックではここで紅茶が買える雰囲気だったのだが仕方ないか。

「この紅茶はどこで買えるの?」

「プリンスビルのオリバーで買えます」

なななんとそんな便利なところに売っていたんだ。とにかくありがとうとお礼をいいお店をあとにする。


ここからハリウッドロード、ウィンダムストリートを抜けて春生貿易行というレースショップに行く。このあたりは何回も来たことがないのだが、骨董品やなどが多い。坂を少しのぼったところにこのレースやはあった。お店というより問屋のような感じのところだ。どこに何があるのかまったくわからない程店内は雑然としている。たまたま麻のブラウスがあったので

「これはもっと他の種類があるの」

お店の若い子に聞くと、違う形をだしてくれて

「この形だけでこのサイズしかない」

と言う。

「でもあなたのサイズよ」

と平気で言ってくれるけどこのように小さいブラウスがそんなわけない。最初に見つけたブラウスはなんとか着れそうだと思い、とりあえずそれを買うことにし、ハンカチも見せてもらう。街中で買うよりもずっと安い。まだこんなに安くスワトーのハンカチを買える所があったんだと驚いた。ハンカチも何枚か買った。

 ここからセントラルの繁華街に向かう。途中れんがの昔からあるフリンジクラブという建物の横を通った。15年ほど前にはここにローラアシュレイのお店があった。また今でも外国人記者クラブがあるようだ




セントラルミッドレベル

ランドマークの裏手にでてくるとまたHMVの大きな看板を見つけた。セントラルではランドマークの2階にこのCDショップはある。もちろん寄った。ただ品数はやはりチムサッチョイのほうが多いようだった。昔、ランドマークの横のビルにあるファクトリーアウトレットのお店が安いのでよく来たが、そのお店がまだあった。しかし今は値段が高くなっておりとても買う気にはなれなかった。そこからプリンスビルのオリバースへ。ここは住んでいる時も時々来ていたのでわかりやすい。紅茶、ミントのお菓子、それからサラダやピザなどのデリカッセンと買い込んだ。両手にオリバースの荷物をかかえ身動きできなくなったので一旦タクシーでホテルに帰る。

再びひとりで銅羅湾へ

 両親がゆっくりしたいというので私はまたトラムに乗って銅羅湾に向かった。土曜日の夜でトラムも混んでいたがワンチャイの途中で2階の窓際の席をゲット。また写真を撮った。昔、よく行った市場の辺りの写真も撮れた。ワンチャイから銅羅湾のあたりは人の洪水だ。すぐに三越が見える。三越の次のビクトリアパークに近いところで人をかきわけながらトラムを降りる。ここの近くのウィンザーハウスにはいっているトイザラスに重要な使命があるのだ。今回のこの旅行のことを昔の香港の友達に話したところ、彼女の娘のH

「昔、香港で買った馬のおもちゃをおかあさんが捨てた」

と今だに騒いでいるという。因みにHはすでに大学生だけど乗馬を習ったりして馬が大好きなのである。その馬というのがピンクとか紫とか妙な色がついたもので、そういえば昔はこのアニメをテレビでやっていた。それがもしあれば買って帰るという特使を任命されたのだ。まさかトイザラスに来ることはないと思ったがHのおかげで懐かしいトイザラスに寄れた。カオルーンサイドのトイザラスもこのウィンザーハウスのトイザラスも息子のおもちゃを買いによく来た。雰囲気は変わらず
「ああ、こういうおもちゃもあったな」
と当時を思い出した。ところでこの馬のおもちゃは入り口のすぐ近くのバービー人形の横にたくさんあった。ビデオやDVDを捜したがそれはなかった。

 懐かしさのついでにこのトイザラスの1階下のベビー用品のマザーケアも見る。そうだそうだ。こういうものがここに売っているんだ、と忘れていた記憶がよみがえってくる。かわいいかえるのサンダルがあって、知り合いの息子に買った。マザーケアでは買うこと自体すごく楽しい。

 さらに1階下にHMVがあったがさすがにパスした。昨日行ったワトソンに再び行き枇杷のサプリメントを買う。ワトソンはものすごく混んでいた。銅羅湾の土曜日など来たことがなかったが、本当に人また人だ。香港の活気を感じる。昨日とまったく同じコースでシティースーパーに行く。デリカッセンでおむすびを夜食用に買う。奇華というお菓子やで中華クッキーを買った。昔はこの店はなかった。というより見つけられなかった。今は大丸がなくなりこのシティースーパーが現地日本人の食品確保の場になっていると聞いた。この時も子供をつれた日本人のおかあさんがおり、この親子を見て住んでいた頃を思い出した。そして自分が年をとったと感じざるを得なかった。

 帰りはどうしようかと思ったがタクシースタンドをのぞくと結構タクシーがきている。土曜日の夜にタクシーをひろうというのはとても大変なことだったのに今は比較的楽にタクシーを拾えるのだと思った。

  

トラムから見たワンチャイ



コンラッドホテルのドアマン

 ホテルでタクシーを降りる時、ドアマンの人が

「お手伝いしましょうか」

と声をかけてくれた。顔を見ると絶対に見たことがある顔だ。

「シーさん(男の人に対する呼びかけ)昔マンダリンホテルにいませんでしたか」

と尋ねると、いたという。

「10年前からコンラッドに移りました」そして

Welcome back to HongKong

と言ってくれた。ちょうど私たちが帰国するころにマンダリンホテルからコンラッドホテルに移ったドアマンの方だった。昔セントラルでタクシーがなかなかとれない時はマンダリンホテルを使っていた。このドアマンは結構タクシーの運転手にはっきりいうし、子供をつれている時など大助かりしたものである。このドアマンに会えたのは今回の旅行の最高の感激だった。

 部屋に帰り、母にこの話しをするとなんとか機嫌がなおっていて、自分もドアマンに会いたいという。再び2人で下に行くと、母もこの方を覚えているという。シーさんは自分の名前を書いて渡してくれた。GARY YEUNGさん。母は一緒に写真を撮った。GARYさん一人の写真も撮らせていただいた。旅行っていいなと思う。



 せっかくグランドフロアに降りてきたので、ワンパシフィックのショッピングモールに行く。母が機嫌がなおっていた理由がわかった。私が出かけていた間にひとりでここのモールを見てまわっていたのだ。イギリスのスーパー、マーク&スペンサーでキャンディーを買う。ここの衣類は昔から値段が高い。でも私のサイズがあるし日本にないような感じのブラウスなどもそろっている。一番目をひいたのはイングランドと書かれたスポーツシャツで子供用から大人用まである。マネキンの人形がそれを着ていたのだが、小さいマネキンがものすごくがんばっておしゃれにそのシャツをきていてテニスバッグを持っているのがかわいくもありおかしくもあった。この感じはちょっと日本では見られないかもしれない。母はロックポートで靴を買おうかどうしようか迷っていたが結局この時はやめてしまった。

部屋に戻る。オリバースで買ってきたデリカッセンのサラダがおいしそうだというので晩御飯はそれになってしまった。ルームサービスの食事はあまりおいしくないというし、外に食事をしにいくのも面倒だという。ではと思って買ってきたサラダがいいというのは、とりあえずはラッキーだといっていいのか。この間に夜のベッドメーキングがきて母はまたコンラッドベアをもらった。こういうのは私よりも母の方がずっとうまい。これで熊が6つになった。あひる3つと熊6つ。こんな客ばかりだったらコンラッドはもうけがなくなる。

                    

 


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